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ETF
これまでのETFやアクティブファンドとどう違う? アクティブETFスタート!
2023年10月19日
これまでのETFやアクティブファンドとどう違う? アクティブETFスタート!

最近、資産運用に関するニュースでよく耳にするのが「アクティブETF(アクティブ運用型ETF)」です。いままでのETFやアクティブファンドとどう違うのか、どんな種類があるのか、調べてみました(2023年10月18日現在)。

いままでのETFとの違いは?
アクティブファンドとはどう違う?
どんな種類がある?
それぞれが独自路線のアクティブETF

まず、いままでのETFの特徴を見てみましょう。

ETFは上場投資信託とも呼ばれています。その名の通り、株式市場に上場している投資信託です。株価指数など特定の指数に連動することを目指し、複数の銘柄に投資します。例えばTOPIXに連動するETFの場合、TOPIX指数の構成銘柄の比率に準じて同じ銘柄を組み入れて運用しています。そのため、指数の動きと同じタイミングで値動きが上下する傾向があります。

一方アクティブETFには、連動する指数はありません。組み入れ銘柄や資産配分は、運用会社やファンドマネージャーが決定した運用方針に従って調整していきます。連動する指標がないぶん、大きな収益を目指す運用ができますが、その半面、思いがけない方向に動く可能性もあります。2023年6月30日に東京証券取引所の制度改正があり、アクティブETFの上場が可能となりました。

運用会社やファンドマネージャーが決定した運用方針に従っている点は、アクティブファンドの特徴に似ています。では、いわゆるアクティブファンドと何が違うのでしょう?

それはETFと投資信託の基本的な特徴の違いと同じです。
まずアクティブファンドは投資信託ですので、取引できる価格が1日1回固定され、取引の確定も数日かかってしまいます。それに対してアクティブETFは、取引所に上場しているのでタイムリーに取引できます。

購入場所も異なります。アクティブファンドは商品によって証券会社や銀行、保険会社から購入できますが、ETFは証券会社でしか購入できません。

以前は、投資信託は積立できるがETFはできない、という違いもありました。しかし最近はETFの積立ができる証券会社もあります。

2023年9月に上場したアクティブETFは6本で、すべて日本株式に投資しています。そして10月には、米国債券に投資するアクティブETFが上場しました。どこに投資をしているのか、組み入れ銘柄など、主な特徴を紹介します。

【2080】PBR1倍割れ解消推進ETF

一般的に割安と判断されるPBR(株価純資産倍率)が1倍割れの企業に投資します。PBR1倍割れの企業にエンゲージメント活動を行うことで経営の質の改善を促し、パフォーマンスに貢献することを目指します。

基本情報
上場日 2023年9月7日
信託報酬(税込) 年0.99%
売買単位 1口
分配金 年1回

上位組み入れ銘柄
8306    三菱UFJフィナンシャル・グループ
7201    日産自動車
7182    ゆうちょ銀行
6178    日本郵政
8604    野村ホールディングス
5020    ENEOSホールディングス
8411    みずほフィナンシャルグループ
8308    りそなホールディングス
4005    住友化学
3402    東レ
※2023年9月22日現在。

【2081】政策保有解消推進ETF

上場企業の中には、取引先との関係を構築・維持するといった経営上の目的で保有している株式があります。これを「政策保有株式」と言います。
このETFは政策保有株式を一定割合以上保有している企業に投資し、エンゲージメント活動を行うことで保有率を減らすことを促して企業価値を高め、パフォーマンスに貢献することを目指します。

基本情報
上場日 2023年9月7日
信託報酬(税込) 年0.99%
売買単位 1口
分配金 年1回

上位組み入れ銘柄
8306    三菱UFJフィナンシャル・グループ
8411    みずほフィナンシャルグループ
8308    りそなホールディングス
7203    トヨタ自動車
8766    東京海上ホールディングス
7186    コンコルディア・フィナンシャルグループ
7167    めぶきフィナンシャルグループ
3861    王子ホールディングス
8316    三井住友フィナンシャルグループ
8331    千葉銀行
※2023年9月22日現在。

【2082】投資家経営者一心同体ETF

経営陣やその親族などが自社株を一定以上保有する企業に投資します。経営者や経営陣が自社の株式を保有することで投資家と一心同体となり、投資家の立場に立って企業価値向上に貢献することを期待します。

基本情報
上場日 2023年9月7日
信託報酬(税込) 年0.99%
売買単位 1口
分配金 年1回

上位組み入れ銘柄
4751    サイバーエージェント
2127    日本M&Aセンターホールディングス
4680    ラウンドワン
9697    カプコン
4732    ユー・エス・エス
3635    コーエーテクモホールディングス
6460    セガサミーホールディングス
4927    ポーラ・オルビスホールディングス
6594    ニデック
3923    ラクス
※2023年9月22日現在。

【2083】NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信

日本の上場企業の中で中長期的に高いROE(自己資本利益率)を期待できる銘柄に投資します。組入れ銘柄は60~80程度を目指しています。

基本情報
上場日 2023年9月7日
信託報酬(税込) 年0.6875%
売買単位 1口
分配金 年2回

上位組み入れ銘柄
6098    リクルートホールディングス
8035    東京エレクトロン
2413    エムスリー
6146    ディスコ
4063    信越化学工業
1925    大和ハウス工業
8113    ユニ・チャーム
6981    村田製作所
4543    テルモ
6501    日立製作所
※2023年9月22日現在。

【2084】NEXT FUNDS 日本高配当株アクティブ上場投信

配当利回りに着目し、かつ中長期の値上がり益の獲得を目指しています。ポートフォリオの予想配当利回りは約4.0%としています(2023年7月末時点)。

基本情報
上場日 2023年9月7日
信託報酬(税込) 年0.5225%
売買単位 1口
分配金 年4回

上位組み入れ銘柄
8306    三菱UFJフィナンシャル・グループ
8316    三井住友フィナンシャルグループ
6178    日本郵政
1605    INPEX
8630    SOMPOホールディングス
9101    日本郵船
9104    商船三井
8725    MS&ADインシュアランスグループホールディングス
7182    ゆうちょ銀行
9107    川崎汽船
※2023年9月22日現在。

【2085】MAXIS高配当日本株アクティブ上場投信

東京証券取引所に上場している大型株・中型株の中から、基本的に予想配当利回りの上位の30銘柄以上に投資します。

基本情報
上場日 2023年9月7日
信託報酬(税込) 年0.5225%
売買単位 1口
分配金 年4回

上位組み入れ銘柄
1808    長谷工コーポレーション
1820    西松建設
2768    双日
2914    日本たばこ産業
4042    東ソー
4061    デンカ
4208    UBE
4502    武田薬品工業
4521    科研製薬
4544    H.U.グループホールディングス
※2023年9月22日現在。

【2093】上場Tracers 米国債0-2年ラダー(為替ヘッジなし)

残存期間が2年以下の米国債券に投資します。残存期間を6か月以下、6カ月~12カ月以下、12カ月~18カ月以下、18カ月~24カ月以下の4つに分け、おおむね金額が同じになるように分散して投資します。先進国の中でも相対的に信用力が高いといわれている米国債券でかつ残存期間が2年以下という満期が近い債券に投資していることで、リスクを抑えています。東証に上場しているので日本円で投資できますが、為替ヘッジがないため、為替の影響を受ける可能性があります。

基本情報
上場日 2023年10月5日
信託報酬(税込) 年0.066%
売買単位 10口
分配金 年4回

現在上場しているアクティブETFの特徴を見るだけでも、それぞれが独自の視点で運用しているのがわかります。特に日本株に投資しているアクティブETFは6本ありますが、いずれも興味深いテーマで、上位の組入銘柄が微妙に異なっています。アクティブETFはまだ上場したばかりですし、商品も今後充実していくと予想されます。今後の動きに注目です。

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