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気になるザリガニ事情
2023年01月30日
気になるザリガニ事情

我が家にザリガニが来たのは、2022年6月。公園でザリガニ釣りをしている親子をみかけ、その様子をみた我が子たちが、「自分も釣りたい!飼いたい!」と言いだしたのがきっかけでした。飼育するにあたり、調べてみると最近のザリガニ事情を知ることができました。

アメリカザリガニとは
飼育禁止!?リリース禁止!?
ザリガニって食べられるの!?
過去にはザリガニで稼いだ人も…
今後について

アメリカザリガニとは

子どもの頃、放課後や休みの日に近くの公園や田んぼ、用水路などで、ザリガニ釣りをしてバケツいっぱいに釣った記憶があります。「ザリ」や「マッカチン」などと呼ばれている身近なザリガニこそ、アメリカザリガニです。

その名の通り、原産国はアメリカでミシシッピ川流域(アメリカ南東部からメキシコ北東部)に生息しています。寿命は、4~5年(野外の場合は1年未満~3年程度)と言われています。

日本には、養殖用のウシガエルの餌として持ち込まれました。はじめ24匹だったザリガニは、養殖池から逃げ出すなどして日本全国に広まりました。

あまり水質がよくない場所でも生息でき、繁殖力も非常に強く、なんでも食べるというこの驚異の生命力で、在来種の水棲生物を食い荒らすなど、生態系に影響を及ぼすことから、現在は「緊急対策外来種」となっています。

飼育禁止!?リリース禁止!?

公園で釣ってきたザリガニを飼うにあたり、水槽やら餌やら揃えなきゃ…と調べるなかで「飼育禁止、リリース禁止」という文字が目に入りました。釣る前に子どもたちには、「生き物だから釣ったら責任をもって飼育すること!」と約束したので、リリースすることは頭にありませんでしたが、「飼育禁止」には焦りました。よくよく調べてみると、「アメリカザリガニ」は除くとなっていたので、とりあえずはひと安心。

この時初めて知ったのですが、ザリガニも多種あって(当然といえば当然ですが…)、前述したアメリカザリガニの他、外来ザリガニも多数輸入、飼育、販売されているようです。そして、何らかの理由で放流されたものが野生化し、環境に影響を与えているとのこと。以前から問題となっていたようですが、2020年11月2日から、アメリカザリガニを除く外来ザリガニは、「特定外来生物」として原則として、飼育や譲渡、輸入、販売のほか野外へ放つことも禁止されています。

規制対象は、アメリカザリガニを除く、全ての外来ザリガニ(ザリガニ科、アメリカザリガニ科、アジアザリガニ科、ミナミザリガニ科)です。

では、なぜアメリカザリガニが対象外となったかというと、ペットとして飼育している人が多いため、規制により罰則を恐れた人による大量放流が生じ、環境により悪影響を与える事態を引き起こしかねないからだそう。ただ、アメリカザリガニも釣って飼育するのはOKですが、放流するのは禁止されています!

※釣り遊びなどで釣ったその場の放流はOKですが、別の場所に放流するのはNG。

【我が家のかわいいザリーちゃん♀】
【我が家のかわいいザリーちゃん♀】
飼って半年超え。2回脱皮をしています。

ザリガニって食べられるの!?

さて、捕らえたザリガニをリリースするのは禁止ということですが、持ち帰ってきたものの飼えない事情が発生した場合どうするのか。(子どもが釣って持ち帰ってきたけど…とかありそうなパターンですね)

1.譲渡先を探す
2.冷凍する、茹でるなどの処理をして可燃ごみに出す
3.食べる(加熱は十分に)

3について、「ザリガニ=汚い水で生息している」というイメージから、日本人にはかなり抵抗があると思います。しかし、世界をみてみるとザリガニ料理は、高級食材とされ、好んで食べられているようです。

例えば、
・フランス:オマール海老同様、茹でたり、パスタに入れたり、スープやソースに使われています。
・フィンランド/スウェーデン:漁が行われる夏に、茹でたザリガニを食べる「ザリガニ・パーティー」が各所で開かれます。
・中国:スパイスを利かせた「麻辣小龍蝦(マーラー・シャオロンシア)」という料理が人気。

IKEAでは、毎年8月にザリガニフェスティバルが行われ、期間中レストランにはザリガニメニューが並びます。同社のサイトには、「ザリガニの食べ方」のページもあります。

中国では、10年ほど前からザリガニブームが起こり、中国全土で8兆円ビジネスとも言われているとのこと。コロナ禍でそのブームも少し鈍化してきたようですが、まだまだ人気はあるようで、在日中国人が多く居住している西川口には、2022年に「ボボクレイフィッシュ」というザリガニ料理のお店がオープンしています。

その他、日本国内のフランス料理店や中国料理店でザリガニ料理を提供している店舗があるので、興味のある方はぜひ…。

過去にはザリガニで稼いだ人も…

身近なペットとして、一般的な赤いザリガニだけでなく、青色やゴーストとよばれる色素変異個体など、観賞用としても人気があります。過去には、ザリガニを大量に捕獲して年間1,000万円ほど稼いだ人もいたようです。(ただ、この方は使用した網が県の条例違反であったため逮捕されています)

現在、ヤフオク!やジモティなどでザリガニの取引や譲渡が行われています。オークション形式のものは値段の変動はありますが、数百円~数千円で取引されているようです。

後述していますが、現在規制対象のアメリカザリガニも今後規制対象となることが決定しているため、こういった取引も姿を消すこととなるでしょう。

今後について

現在、対象外のアメリカザリガニですが、昨年2022年に閣議決定され、今年1月20日に正式に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」により、2023年6月より「条件付特定外来生物」となり、規制の対象となることが発表されました。違反すると重い罰則も課せられますので要注意です。

環境省のサイト(条件付特定外来生物に関するページ)

https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/regulation/jokentsuki.html

※この記事は2023年1月29日現在の情報です。

ニコ
ニコ

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