気になるマンガのお金事情　～マネー描写に注目したい漫画４選

2024年03月18日

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「お金にまつわる漫画」と言えば？

身体から贋札を生み出す少年が帝国と戦う！
『ハイパーインフレーション』

ガブール人の少年・ルークは、生殖機能を失う代わりに、体から贋札を無限に生み出せる特殊能力を得ます。全ては帝国の奴隷商人に攫われた唯一の家族・姉のハルを救い、虐げられるガブール人の自由を獲得するため。
ただし、ルークが生み出す贋札はシリアル番号が全て同一。つまり複数枚の番号を相手にチェックされてはならないのです。
独学で帝国語や経済を学んでいたルークは、得た力と頭脳をフル回転させ、帝国に「経済戦争」を仕掛けます。
「お金」の概念を覆す、新しい形の経済バトル漫画。

『ハイパーインフレーション』
著者：住吉九／集英社刊
全６巻・完結　（記事投稿時点）

ひと月２万円台のお小遣いで人生はこんなにも楽しい！
『定額制夫の「こづかい万歳」〜月額2万千円の金欠ライフ〜』

二児の父・漫画家の吉本浩二（作者）のドキュメント漫画。吉本さんの月の「こづかい」は2万千円。金欠に悩みがちですが、似たような金額のお小遣い制を取る人々に出会います。ポイ活に精を出す会社員、対戦ゲームのように節約を競い合う夫婦、大好きなバイクの中古パーツをネットで購入して自ら愛車メンテナンスを行う猛者まで登場。
彼らは限られたお小遣いの中で、それぞれ最大限に生活を楽しんでいる様子が伝わってきます。
この作品に登場するのは、基本的に実在する商品やサービスです。全ては真似できそうにないですが、節約テクニックは参考になるかもしれません。

『定額制夫の「こづかい万歳」 ～月額2万千円の金欠ライフ～』
著者：吉本浩二／講談社刊
既刊６巻　『モーニング』（講談社）にて連載中（記事投稿時点）

ネット案件に強い弁護士のモットーは「しょせん他人事」。ネット上の炎上や誹謗中傷を巡る人間ドラマとともに、発信者情報開示請求の手続きなど法律面のリアルな描写が話題です。

そういった法的対応に必要となる費用感も知ることができるのが注目ポイント。
弁護士の着手金や手数料・報酬、相手方へ内容証明で通知する際はどの程度の金額を請求するか、といった細かな金銭的な部分についても現実に即して描かれています。
それもそのはず、監修に就いているのは清水陽平弁護士。
電子版コミックには単行本発売前に法改正の動きがあった際の苦労等、清水弁護士のコメントも特別収録されています。

『しょせん他人事ですから～とある弁護士の本音の仕事～』
白泉社刊
著者：富士屋カツヒト（作画）、左藤真通（原作）／監修：清水陽平（法律事務所アルシエン)
既刊６巻　電子雑誌『黒蜜』にて連載中（記事投稿時点）

ビジネス描写が光る”転生モノ”
『魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~』

過労の中で命を落とした女性が記憶を失わずに異世界で生まれる、いわゆる「転生モノ」。
主人公・ダリヤが婚約者に裏切られたことを契機に、一人の魔導具師として顔を上げて生きていく物語です。
この作品で特に目立っているのは、身分制度やギルド制のある世界における商談のリアリティ。
ダリヤは多くの人の助けを得ながら個人商会を立ち上げ、大きな商談に臨みます。複数のギルドや商会間でのやり取り、利益率の交渉、身分制度を前提とした心理戦の描写は、転生モノではなかなか見ない緻密さです。
作品内では「対等な関係」を相手と築くことが一つのテーマとなっていますが、時間、お金も重要な基準として対話が行われます。

『魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~』
マッグガーデン刊
漫画：住川 惠／原作：甘岸久弥（「魔導具師ダリヤはうつむかない ～今日から自由な職人ライフ～」MFブックス刊）／キャラクター原案：景、駒田ハチ
既刊６巻・Webメディア『magcomi』にて連載中（記事投稿時点）

まとめ

生活に無くてはならないお金だからこそ、フィクションの中でもその表現が見事だと作品の解像度がぐっと高まる気がしませんか？
ぜひ一度、マネー描写に注目して漫画を読んでみてくださいね。