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次代のGAFAMを探してみた!~米国株 徒然日誌①
2023年05月15日
次代のGAFAMを探してみた!~米国株 徒然日誌①

著者名

こんにちは!マネー探検隊の米国株投資家、ヒロミンです。遅ればせながら”億り人”を目指して日々奮闘中です。

そこで今回よりこの場を借りて”米国株徒然日誌”と題した不定期連載コラムを通して、日々、私の中でアップデートしていく米国株にまつわる事柄を徒然なるままにお伝えしてまいります。

記念すべき第1回目はズバリ”次のGAFAMを探してみた”をテーマに綴ってみたいと思います。

そんなの簡単に見つかるなら苦労はないんだよ”と言うなかれ!ヒントくらいはあるはずです。

不定期連載 米国株徒然日誌、早速まりましょう

GAFAMからMATANAへ
注目銘柄① ブラジルのデジタル銀行、ヌーバンク
注目銘柄② アフリカのアマゾン、ジュミア
注目銘柄③ ラテンアメリカのアマゾン、メルカドリブレ
注目銘柄④ 東南アジア最大のプラットフォーマー、シー
まとめ

GAFAMからMATANAへ

ご存じの通りGAFAM(ガーファム)とは、グーグル(現アルファベット)、アップル、フェイスブック(現メタ)、アマゾン、マイクロソフトの頭文字をとったビックテック5社の総称のことです。

最近ではこのGAFAMにかわってMATANA(マタナ)という言い方も浸透しつつありますね。

そう。MATANAとは、GAFAMからフェイスブックが外れ、かわって半導体のトップ企業、エヌビディアと電気自動車のトップ企業、テスラの2社が加わった言い方です。

社名まで変えて取り組んだ”メタバース”が、最近ではオワコンなのでは?なんて投資家たちから懐疑的に思われていることでメタが外され、かわってここ数年来ぐんぐん頭角を現わしているエヌビディアとテスラが新たに入ったというわけです。

それにしてもMATANA(またな!)なんて、まるで日本語の挨拶みたいで面白いですね。

もっともGAFAMにしてもMATANAにしてもどれもNY証券取引所かナスダックなどの米国株式市場に上場されている企業ばかりです。

ではあらめて米国株市場の特徴といったらなんでしょうか?

もちろんさまざまな答えがありそうですが、筆者の独断と偏見でいうなら、それは米国発の企業だけでなく、欧州、中東、アフリカ、南米、アジア、もちろん日本や中国など、世界中の先進企業が競って上場していること、ではないでしょうか?

世界の株式市場、それが米国株市場なのです。

そうした背景を踏まえあえて米国発以外の米国株企業を探してみると、意外や意外、次代をけん引しそうなきわめて先進的な企業がぞくぞくと見えてきます。

もちろん次代のGAFAMやMATANAに本当になれるかどうか?そんな保障は全くありません。

しかし、そこにはワクワクするようなユニークな背景が盛沢山なこともわかります。

前置きが長くなりましたが、ここからは筆者が独断と偏見で注目する4つの次代のGAFAM候補をピックアップしてみましょう。

注目銘柄①
ブラジルのデジタル銀行、ヌーバンク

【銘柄名】ヌー・ホールディングス

【ティッカー】NU

【上場市場】NYSE

【出身国】ブラジル

【上場時期】2021年12月

1つ目はヌーバンクです。ご存じの方はまだ少ないかもしれませんが、ヌーバンクは2013年にブラジルに設立された、店舗を持たないデジタル銀行です。いわゆるフィンテックを代表する企業のひとつです。

当時のブラジルは、大手銀行数社の寡占状態にあり口座の維持手数料やクレジットカードの年会費が高く、低所得層のほとんどは銀行口座やクレジットカードは持っていないのが当たり前な状況でした。

そうしたなか、ヌーバンクは初めて低所得層を対象に銀行業務を創業、年会費無料のクレジットカードを皮切りに、銀行口座と類似の機能を持ったデジタル口座、株式などの投資商品、無担保融資、保険商品と次々に事業を拡充していきました。

結果、使いやすさと機能の充実が受けて、利用者が瞬く間に急増。

拠点もブラジルだけに限らず、メキシコ、コロンビア、アルゼンチンと広がっていき、2022年3月末には利用者5,960万人と南米最大のネット銀行に成長しました。

6,000万人近い顧客数というのはなんと米銀最大手のJPモルガン・チェースと同規模というから驚きます。

ちなみに銀行口座を持たない人のことを“アンバンクト”と呼ぶのですが、このアンバンクトを対象に従来型の銀行に対抗するフィンテック企業のことを欧米ではチャレンジャーバンクと呼びます。

ヌーバンクはまさにこのチャレンジャーバンクの世界最大手に成長しているのです。

またこのヌーバンクには投資の神様、ウォーレン・バフェット氏も出資をしているほか、2021年12月9日にはニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場を果たしています。

(ヌーバンク=過去1年)

直近、2023年5月12日現在の終値は5.81ドルとまだ小さく、1株当たり株価は日本円換算ではわずか790円(≒136円で計算)程度でしかありません。ヌーバンクも2022年に入って大きく調整したハイテク株のひとつですが、2023年に入ると大きく反転し、年初来の上昇率はなんと63.2%に及んでいます。

長年の格差社会に喘ぐブラジルでは、貧困層を支持基盤にしたルラ元大統領が2022年10月に見事に復活。新しい時代の波に乗って、ヌーバンクがさらなる発展を遂げていけるのか!? ワクワクしながら見守っていきたい銘柄の代表格と筆者は考えています。

注目銘柄②
アフリカのアマゾン、ジュミア

【銘柄名】ジュミア・テクノロジーズ

【ティッカー】JMIA

【上場市場】NYSE

【出身国】ドイツ

【上場時期】2019年4月

ジュミア・テクノロジーズ(以下、ジュミア)は、アフリカのアマゾンと言われる通り、アフリカ大陸でEC(電子商取引)のプラットフォームを運営する企業です。

にもかかわらず、2019年にドイツのベルリンで設立された生粋のドイツ企業というユニーク企業です。

ご存じのようにアフリカ大陸は55の国と地域を有する“最後の成長フロンティア”と呼ばれる巨大な市場です。

現在の人口は約14億人とインドや中国とほぼ同規模ながら、2050年には1.7倍以上の24億8500万人になる見込みで、世界の4人に1人はアフリカ人という時代がやって来ると言われています。

しかし、一方では電気や水資源といったインフラ不足や食糧問題、格差・貧困といった社会問題など課題も山積です。

もっとも最近は携帯電話の急速な普及でデジタルサービスが拡大。途上国だからこそ最新技術が一足飛びに普及するリープフロッグ(カエル跳び)現象が起きやすい大陸とも言われています。

そうした見通しを背景に、ジュミアはマーケットプレイスと呼ばれる、EC(電子商取引)のプラットフォームの提供と物流網の構築を通じ、ありとあらゆる商品の宅配事業を展開。さらにはレストラン予約、デリバリサービス、ジュミア・ペイと呼ばれる決済サービス、個人融資事業まで幅広い展開を狙っています。

そんなジュミアは2019年4月12日にはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場。黒字化を目指して新しいステージに入りました。

(ジュミア=過去5年)

コロナ禍にあった2021年2月12日には過去最高値の62.43ドルを付けましたが、その後はハイテク株の調整が続き、直近2023年5月12日現在は2.71ドルと最安値圏を推移、反転する兆しはまったく見られません。

こうなると1株当たりの株価は日本円換算でわずか368円(≒136円で計算)ということになります。

正直、アフリカへの投資はまだまだ時代が早すぎるのか?

とはいえ、ジュミアを通じて “最後の成長フロンティア”の潜在能力を長期でじっくり腰を落ち着けて享受していきたいなら、今のうちに仕込んでおいて”果報は寝て待て”とばかりに寝かせておくにはこんなに夢のある楽しい銘柄はなさそうです。

注目銘柄③
ラテンアメリカのアマゾン、メルカドリブレ

【銘柄名】メルカドリブレ

【ティッカー】MELI

【上場市場】ナスダック

【出身国】アルゼンチン

【上場時期】2007年8月

次に注目したいのがラテンアメリカのアマゾンこと、メルカドリブレです。

アフリカのアマゾンがあるくらいなので、やっぱりラテンアメリカにもアマゾンはあったのですね。

もっとも2019年設立のジュミアとは違い、メルカドリブレの設立は1999年のアルゼンチンで、すでに24年もの実績があります。

また本家のアマゾンが正式オープンしたのが1995年ですから、設立時期も4年しか違いません。

そうしたなかでラテンアメリカでは現在、アマゾンを完璧に抑え込んでメルカドリブレの方が圧倒的に普及していいます。

なぜか?

そもそもメルカドリブレとは、フリーマーケット(自由市場)という意味のスペイン語で、やっていることは基本的にはアマゾンと同じEC(電子商取引)事業です。

実はメルカドリブレがアマゾンを凌ぐ大きな要因となったのが「メルカドバゴ」と呼ばれる、QRコードを用いた独自の決済サービスの存在です。

ヌーバンクの際にも触れましたが、ブラジルをはじめとしたラテンアメリカでは銀行口座やクレジットカードを持たない人が多いため、クレジットカード決済を土台にしたアマゾンは敬遠され、QRコードをベースにした便利なメルカドリブレが急成長していったとわけなのです。

ここでも普及が遅れたがゆえに一足飛びに進化するリープ・フロッグ現象が起きたということなのです。

現在、メルカドリブレはアルゼンチンを皮切りにボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、メキシコ、スペイン、エクアドル、グアテマラ、ホンジュラス、ペルー、パナマ、ウルグアイ、ベネズエラとなんと世界18カ国でEコマース事業を展開。そのうちの約65%をブラジルが占めていると言われます。

さて、そんなメルカドリブレは、2007年8月にラテンアメリカ発の企業としては初めてナスダックへの上場を果たしました。

上場後は順調に株価を伸ばしコロナ禍の2021年1月22日には1,965.05ドルと史上最高値を更新しています。

ところが御多分にもれず、その後巣篭り消費ブームの終焉を機に株価は調整、2022年6月16日には612.70ドルと、この年の最安値を更新しました。

(メルカドリブレ=過去5年)

ところがその日を境に反転、じわじわと上昇を続け、直近の2023年5月12日にはなんと1,279.67ドルまで値を戻してきています。ちなみにこの値は1株当たり日本円換算で17万4000円(≒136円で計算)程度です。

ラテンアメリカでのEコマースの普及率は急成長中とはいえ、先進国に比べればまだまだ低い状況です。

メルカドリブレの伸びしろは長期では実はこれからが本番なのかもしれません。

注目銘柄④
東南アジア最大のプラットフォーマー、シー

【銘柄名】シー

【ティッカー】SE

【上場市場】NYSE

【出身国】シンガポール

【上場時期】2017年10月

最後にご紹介したいのが東南アジア最大のプラットフォーマー、シーです。

シーはもともと2009年にオンラインゲームのプラットフォーマーとしてシンガポールで創業。インドネシア、台湾、ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシアなど東南アジア全体に事業を展開しました。

2015年には「Shopee(ショッピー)」という名称でECプラットフォームにも参入。さらに現在では「SeaMoney」というプラットフォームで、デジタル決済などの金融サービスにも着手しています。

また現在は銀行業界にも進出を果たそうと目論む東南アジア最大の総合プラットフォーマーです。

例えるなら、中国のテンセントとアリババが一緒になったような東南アジアのスーパー企業と言えるかもしれません。実際にテンセントは同社の大株主でもあります。

2017年10月には東南アジア発のスタートアップとして、いち早くニューヨーク証券取引所に上場。コロナ禍においても巣篭り消費の追い風を受けて株価は隆盛を極めました。

2021年10月19日には、366.99ドルと史上最高値の更新。これは上場時の株価のなんと26倍です。

ところが他の巣篭り銘柄と同じようにその後株価は急落。調整が長らく続き、直近2022年11月9日には40.92ドルと、その年の最安値を更新するところまで低迷してしまいました。

ところがそこからはようやく反転、株価は上昇に転じ、直近2023年5月12日には84.77ドルまで戻してきています。
ちなみにこの株価は値は日本円換算で1万1528円程度です。(≒136円で計算)

(シー=過去5年)

株価反転の要因になったのが拡大路線から利益重視路線への大転換でした。手を広げ過ぎていた欧州やインドからは撤退し、東南アジアをより重視していく方針に舵を切ったこと。直近の決算では上場以来初となる黒字転換にも成功したようです。

世界の工場が中国から東南アジアに移りつつあるこれからを考えれば、東南アジア発の米国株には同じアジア人としても成長を期待したくなるのが人情です。

危うい状況を乗り越え、次のビックテックに無事成長していけるのか?

期待とともに注目したい企業のひとつであることは間違いありません。

まとめ

米国株徒然日誌① ”次代の GAFAMを探してみた!”いかがだったでしょうか? こうして見ていくと、世界というものは長い目で常に進化し続けているのだなあと、感動とともに元気がでてきませんか? 今回注目した4つの次代の GAFAM候補銘柄については、今後も情報を更新しながら、ウオッチし続けていきたいと思います。

あっ、とはいえこの4銘柄はあくまで筆者が勝手に注目しただけで、決して推奨ではありません。あしからず。そのへんはしかっりと、ご了承いただけますよう、何卒よろしくお願い致します。

ヒロミン
ヒロミン

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