芸能人も被害に!FX投資詐欺が急増中!?

今年7月にお笑いコンビTKOの木本武宏さんが7億円ともいわれる投資トラブルに巻き込まれ、所属事務所を解雇されました。報道によれば、投資先の大部分はFXだったそうです。FXが世に出たばかりの20数年前ならいざ知らず、FX関連の法整備が万全となったはずの今も詐欺事件がなくならないのはなぜなのでしょう。最近のFX投資詐欺にまつわるニュースについて調べてみました。

ここ数年急増するFX投資トラブル

国民生活センターのデータによると、FX(外国為替証拠金取引)に関する相談件数はここ数年急増しており、2019年の751件から2021年には3023件と3倍以上となっています。2022年の相談件数は前年と比べてやや下回っていますが、それでも近年ではかなりの多さです。国民生活センターが相談者の申し出内容をもとにまとめた、最近のFXトラブル事例は下記の通りです。


◆無料メッセージアプリの投資グループに誘われ、参加することにした。担当者に出資金150万円を振り込み、海外FX口座で取引したが出金申請できない。

◆SNSで知り合った女性から勧められたFX取引で儲けが出たが、お金を引き出すために高額な手数料を請求され、支払ったのに出金できない。返金してほしい。

◆マッチングアプリで知り合った女性に勧められて海外FX事業者の口座開設をし、その女性に言われた個人名義の口座に高額を振り込んだが、お金が引き出せなくなった。騙されたと思うので返金してほしい。


特徴的なのは、日本で認可を得ていない海外FX業者が関わっていること、マッチングアプリやSNSなどを通じてトラブルに巻き込まれるケースが多い点です。20年前はスマートフォンは存在せず、SNSも今ほど発達していませんでしたが、現在はSNSやアプリを駆使した巧妙な手口が増えているようです。


SNSを通じた投資話に注意!

今年9月15日、SNSを通じて知り合った人物から、FXの投資話を持ち掛けられた滋賀県長浜市の50代男性会社員がおよそ1900万円をだまし取られるという事件が報道されました。男性はSNSで知り合った外国人女性を名乗る人物から「私はFXで投資をしていて、多額の利益が出ている。あなたもやらないか」と持ち掛けられ、その後投資の指導役として紹介された人物とやりとりするようになり、「損失が出ているので資金を補填しなければならない」といわれ、およそ1900万円を指定の銀行口座に振り込んだそうです。男性は銀行口座からお金を引き出すことができず、弁護士に相談して被害に気づきました。警察によれば、同様の詐欺事件が滋賀県内でも相次いでおり、SNSを通じた投資の勧誘は詐欺の可能性が高いとして注意を呼び掛けているとのこと。


さらに9月21日、名古屋を中心に活動するオペラ歌手が、無登録でFX投資の勧誘をしたとして逮捕されるという報道がありました。オペラ歌手は受賞歴もあり国内外で活躍、地元のケーブルテレビに出演するなどタレント活動も行っていたそうです。2019年12月から翌年2月にかけて、三重県在住の80代女性を含む6人に「FXに出資すれば配当がもらえる」と、もう一人の容疑者とともに登録のないまま勧誘を行った疑いがもたれています。「地元の有名人」ならば信頼感もそれなりにあったのかもしれません。


オペラ歌手のSNSでは、飲食店でキャビアやマツタケなど高級食材を前に声を上げる様子や、高級寿司店や高級中華料理での食事風景など、豪華絢爛な生活ぶりをアップしていたようです。他のFX投資トラブルや詐欺事件でも、容疑者のSNSを見るとフェラーリやベントレーなどの高級車の写真を愛車としてアップしていたり、優雅な海外旅行や高級レストランの食事風景写真をアップし、羽振りの良さを見せつけるケースが多いようです。

FXトレーダー愛用のアプリが詐欺認定?

FX投資歴が長い人なら、メタトレーダー4(MT4)、メタトレーダー5(MT5)というツールを聞いたことがある、あるいは使ったことがあるのではないでしょうか。MT4/MT5はロシアのメタクオーツ社が開発・提供している取引プラットフォームで、豊富なチャート機能とカスタマイズ性の高さで世界中のFXトレーダーに愛用されています。EAと呼ばれる自動売買プログラムを入手すれば、プログラムに沿った自動売買を行うことも可能です。


そのMT4/MT5のアプリが、iPhoneのAppStoreから突然削除されるという騒ぎが9月24日に起こりました。Twitter上では「MT4/MT5はロシアの会社が作ったアプリだから経済制裁を受けたのか?」「MT4/MT5はなりすましアプリが出ていたのでAppleがアプリを削除したかも?」などのFXトレーダーによる考察が飛び交いましたが、マネーライターの高城泰さんの下記のツイートがどうやら真相のようです。

「豚の屠殺」とは、ターゲットとなる被害者とある程度の信頼関係を築いたうえで詐欺的なプラットフォームへの投資を促し、その資金を持ち逃げするという詐欺手法で、飼育してから屠殺する豚の屠殺に似ていることから名づけられたそうです。FXトレーダーに愛用されていた優秀なアプリが、その利便性から悪用されてしまうのは悲しいですね…

巧妙化するFX投資詐欺に警戒を!

スマートフォン、アプリ、SNSの発達により、FX投資詐欺の手口もますます巧妙に進化しています。高度なIT知識と技術を持った人間による犯行も増えており、日本だけでなく海外から狙われることも考えなければいけません。こうした詐欺から大切な資産を守るために、最低でも下記の二つを注意しておくべきです。


< SNS経由の儲け話には乗らない!>

SNSを利用してコンタクトをとり、FXでの儲け話を勧めてくる人は、ほとんどが詐欺グループと考えたほうが良いでしょう。彼らはその手法を洗練させ、様々なテクニックであなたのお金を奪おうとしてきます。最近はSNSやマッチングアプリで外国人異性を名乗り言葉巧みに誘惑し、恋人や婚約者になったと錯覚させてお金を騙し取る国際ロマンス詐欺とFX投資詐欺をミックスさせたタイプ(豚の屠殺詐欺等)が流行しており、高齢者だけでなく40~50代の被害者も急増しています。


< 金融庁の認可を得ていない未登録業者は絶対に使わない!>

TKO木下さんやオペラ歌手のFX勧誘など、ほとんどのFX投資トラブルでは金融庁の認可を得ていない未登録業者への誘導が行われています。もしあなたがFXへの投資を勧められたら、使用する取引会社を必ずチェックしてみてください。金融庁未登録業者だったり海外のFX会社だったりしたら、100%クロだと判断して良いでしょう。

金融庁登録業者はこちらで確認できます→https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html

2022年は大きく円安ドル高が進んでおり、激動の為替相場となっています。FXでは投資チャンスが多いときでもありますが、こうした投資詐欺も活発になることが予想されますので、あやしい勧誘にはくれぐれも注意し、楽しい投資生活を送ってください!