ルーラコインってどうなの?~日本初!観光に特化したデジタル地域通貨

ここ十数年来、特定の地域でのみ使えるデジタル地域通貨が静かなブームになっているのをご存じでしょうか?

代表的なところでは岐阜県飛騨高山の「さるぼぼコイン」、福嶋県会津若松の「白虎(Byacco)」、埼玉県深谷の「negi(ネギー)」などなど、ご当地ならではのユニークなデジタル地域通貨が日本全国に数多く存在しています。

実は東京都にも「せたがやPay」や「かつしかPAY」といった、歴としたデジタル地域通貨がありますよね。

これらはいずれも地元商品券のデジタル化を起源にしていたため、利用対象は地域住民の方々。その地域でしか使えないことから観光客には使いづらく、全国的に広がることはありませんでした。

そうしたなか全国の観光地や温泉街を横断して使える、日本初の観光に特化したデジタル地域通貨が2022年2月の誕生。それが「ルーラコイン」です。

ルーラコインって何?どんな特徴があるの?使い勝手は?将来性はどう?などなど、興味津々、調べてみました。


そもそもルーラコインって?

ルーラコインとは、観光の支援・促進を目的に全国各地の観光地や温泉街で横断的に使えるデジタル地域通貨です。

ルーラコイン公式ホームページ

コインの購入、利用、管理などのトランクザクション(取引)にはブロックチェーンの技術が利使われているため、低コストで導入できるのが特徴です。

実際に利用者として使ってみるととても簡単で便利でした。

特別なアプリをダウンロードする必要もなく、ルーラコインの公式サイトでアカウントを作成して、クレジットカードなどから必要な金額をチャージしさえすれば、準備は完了です。

このルーラコインの最大のメリットは、チャージ金額に応じて10~20%のプレミアムポイントが付与されることです。

プレミアムポイントはキャンペーン時などによって付与されるポイントのパーセンテージが変わるようですが、少なくとも10%は付くというのは大きいですよね。

実際にお土産屋さんなどで支払いをする際には、レジ横にあるルーラのQRコードを読み込んで、支払い金額を入力、 「支払いをする」をクリックするだけで完了します。

その際決済と同時に“ルーラ♬”という可愛らしい音声が流れるのですが、これには観光地ごとに異なる有名な声優さんによる決済音ボイスが使われているのだとか。ファンにはとても嬉しい仕掛けですよね。

(決済音ボイスの声優陣)

またルーラコインで消費された金額の1%は、自動的にその観光地に寄付されるので、観光地支援につながるほか、地域の活性化を後押しすることにもつながります。

現在のところルーラコインを使える地域やスポットは、以下の17地域105店舗。

使用できるのは、ホテルや宿泊施設をはじめ、観光スポット、お土産物店、飲食店、居酒屋などなど。現在のところはこの通りです。

正直、2022年2月に始まったばかりでまだまだ少ない印象ですが、加盟エリア・店舗は日々拡大中で、2022年内には50エリア、1000店舗へと拡大していく計画なのだとか。

実際に下田で体験...

首都圏から最も近いルーラコインを使える地域ということで、日帰りながら静岡県の下田に行ってきました。

JR新宿駅から踊り子号に乗れば、ちょうど3時間で伊豆急下田に到着します。

駅の改札を出て構内すぐのところにあるのが、ルーラコインが使える地元のお土産物屋さんの「豆州やまきち下田店」さんです。

スマホを使ってとりあえず3,000円をクレジットカードからチャージしてみました。すると10%のプレミアムポイントを含めた3,300ルーラコイン(1ルーラ=1円)が入金されまそた。

さっそく豆州やまきち下田店でお茶を1本手に取り、ルーラコインで支払ってみることに。

筆者「すみません!ルーラコインって使えますか?」

店員さん「あつ、はいはい!使えます。こちらのQRコードでお願いします。」

ルーラコインの読み取り画面をQRコードにかざして決済を開始します。すると決済と同時に“ルーラ♬”という可愛らしい声優さんの決済音ボイスが店内にひびいて、決算は完了!

これでひと安心。さあ出発です。

下田に来たらまずは、駅前の下田ロープウエイで寝姿山に登り、下田湾の絶景を望みましょう、とのアナウンスが流れていたので早速行ってみました。この下田ロープウエイもルーラコインで支払えると公式サイトには出ています。

筆者「あのー、ルーラコインでお願いします。」

受付の人「ル、ルーラコイン? ああ!それ今はもう終わっちゃったんです。」

残念!下田ロープウエイでのルーラコインの使用はキャンペーン時で一旦終了してしまったのだそう。気を取り直して、現金で支払って登ったのですが、流石に山頂からの眺望は素晴らしかったですね。

続いて駅から8分ほど歩いて、「下田開国記念館」へ。

こちらもルーラコインを使えるスポットのひとつのはずです。訪れるとその日はちょうど改修中だったのですが、隣にある「地酒と地場産品の店豆州庵」さんの2階で展示は開催中でした。

お土産屋さんも含めてこちらではルーラコインがきちんと使えました。

下田開国記念館では、QRコードを通じた音声の解説があり、開国時の当時の様子や裏事情などしっかりと学べるので、とても面白く堪能しました。観光地の醍醐味のひとつです。

そのあとは「下田港」やペリー提督一行が行進したという「ペリーロード」を散策。ちなみに下田港からはルーラコインを使て、「伊豆クルーズ」に出ることもできるそうです。

日帰りだったため長居はできなかったのですが、下田に来たらからにはやはり金目鯛だけはどうしてもいただきたい...。というわけで駅前に急いで戻り、お昼のラストオーダーは15時という、「網元料理 徳造丸 伊豆下田駅前店」へ滑り込み。

金目鯛煮魚と刺身膳と生ビールを注文したのですが、これが本当に死ぬほど旨かったですね。

こちらもルーラコインで支払えるようになったらどんなに嬉しいか?使えるようになることを期待したいところです。

最後は再び、駅構内のお土産物屋さん「豆州やまきち下田店」で、瓶詰めのうにいか、金目鯛の贅沢味噌汁、電車の中で飲む用に地酒の冷酒をルーラコインで購入。帰路につきました。

結局、残高1,107円が残りましたが、また別の観光地で使えばいいので気になりません。

というわけで、正直に言えば使用できるお店をもっともっと増やしてほしいものですが、楽しい体験でした。これからに大いに期待です。

ルーラNFTの未来に期待!

ルーラコインで支払えば、10~20%のプレミアムポイントが付与されてお得トクなほか、残ってしまっても全国の他の観光地や温泉街で横断的に利用することができる、というのは確かにルーラコインならではのメリットです。

とはいえ、それだけでは単なる決済機能でしかないので弱いですよね。

とはいえこのルーラコインの世界というのは、実はもっともっと幅広くてダイナミックな計画なのです。

というのは、その地域に実際に行って、ルーラコインで決済しなければ入手できない限定的なデジタルコンテンツがあるからです。それは日本初のローカルNFTのルーラNFTです。

ルーラNFTとはブロックチェーンの技術を使って作られるNFT(非代替性トークン)で、観光とエンタメに特化した限定的なデジタルコンテンツです。

具体的には2022年の6月に販売が始まった下記の「温泉むすめ」のルーラNFTがそれです。

(兵庫県有馬温泉と福島県飯坂温泉でしか入手できない「温泉娘」のルーラNFT)

これらのNFTコンテンツは実際に製造数が限られた限定品であるほか、1つひとつにはきちんとしたシリアル番号がふられています。

またこれらのデジタルカードはルーラコインで購入できるだけでなく、所有者同士が自由に交換できる2次流通マーケットも現在開発中とのこと。

現在のところルーラNFTの事例はまだまだこの6種類の「温泉むすめ」のみですが、

今後はこうした現地でしか入手できないデジタルコンテンツ(ブロックチェーンを活用したNFT)を順次開発し、いずれは日本全国で何100種類、何千種類と増やしていく予定なのだとか。

もとろんその際の売上の一部もそれぞれの地域に寄付される仕組みだそうです。

例えば、数年前に大ヒットを記録した「君の名は」というアニメ映画によって、作品に出てくる聖地巡礼がブームになっりましたよね。

今後はそうした新しい作品とコラボしたルーラNFTなどが登場するかもしれません。

そうなれば、このルーラの世界は観光の支援・促進という意味でも大きな力を発揮しるようになることも考えられます。

まとめ

ルーラコインってどうなの?~日本初!観光に特化したデジタル地域通貨、いかがだったでしょうか?

今回は全国各地を横断して使用できる地域デジタル通貨の「ルーラコイン」、現地でしか入手できない非代替デジタルコンテンツの「ルーラNFT」と紹介してきました。しかし、実は計画はこれだけとどまりません。

早くも次の展開としてさらに「ルーラトークン」という暗号資産の開発も始まっているようです。

その内容については、まだあまり報じられてはいませんが、最先端のWeb3技術を駆使しながら、観光地の再生・支援・促進に貢献していくというコンセプトは共通しているようです。

いずれにしてもまだ始まったばかりの壮大な計画ですが、今後もきちんとウオッチしながら、ルーラプロジェクトの発展を応援していきたいと思います。