ファンディーノって、何なの?~プロジェクト編~
日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスのファンディーノ--。
前回は“ファンディーノって、何なの?”と題し、ファンディーノの特徴やメリット・デメリットについてざっくり解説しました。
では実際にファンディーノにはどんな分野のいかなるプロジェクトが紹介されているのか?
今回は“ファンディーノ(FUNDINNO)って、何なの? プロジェクト編”と題して、最近募集を締め切った、いくつかの成功例を見ていきましょう。
本記事はファンディーノ(FUNDINNO)って、何なの?の続編です。
ケース①
八海山の米麴でつくる天然「クラフトコーラ」
企業名:UMAMI COLA株式会社
投資家数:211人
エンジェル税制:タイプA
株主優待:「UMAMI COLA」シロップ720ml
さて、ひとつめは最近人気のクラフトコーラを開発するUMAMI COLA(ウマミコーラ)株式会社です。
コーラというコカ・コーラかペプシコーラかというアメリカの2大ブランドが有名ですが、
いまや日本だけでも100種類以上が販売されているほど、ちょっとした“クラフトコーラ”ブームです。
なかでも健康志向の高まりを背景に、人口甘味料を一切使わず健康にやさしいクラフトコーラのシロップ(商品名:ウマミコーラ)を開発・販売しているのが、UMAMI COLA株式会社です。
2202年4月にはTBSの『マツコの知らない世界』でも特集されて大反響を得たそうです。
このウマミコーラは、八海山の米麹だけで作った甘酒をベースに、10種類以上のスパイスやハープ、長寿の里として知られる沖縄県大宜味村のシークヮーサーを調合して作られるクラフトコーラで、開発テーマは病気になりにくいクラフトコーラとのこと。
正直、コーラに健康のイメージはあまりなかったと思いますが、人口甘味料さえ使わなければ、本来は体にやさしい飲みもななのだそうです。
UMAMI COLA株式会社では、今回ファンディーノでの資金調達を機に、自社工場を設け、需要の多さに対応するとともに、RTD化といって現在のシロップだけではなく、缶ジュースの開発を進める計画です。
そうすることで、清涼飲料水の分野にこれまでなかった、美味しくて体に良い“ナチュナルドリンク”という新ジャンルを確立することを目標にしているほか、将来的には海外展開にも視野にいれているそうです。
また、将来のExitとしてはIPOを想定。体に良いクラフトコーラということであれば、缶で飲めるようになるならぜひとも飲んでみたいもです。
ケース②
ホリエモン主宰、10代の起業家を育てる「ゼロ高」
企業名:株式会社ZERO EDUCATION&ARTS
投資家数:254人
エンジェル税制:タイプB
株主優待:ホリエモン主宰のビジネスピッチイベント参加権利
「ゼロ高 EXPO」参加権利
続いては教育系ベンチャー企業の株式会社ZERO EDUCATION&ARTSのケースです。
この企業、なんと堀江貴文氏が主宰する10代の起業家を育てることを目標にした高校「ゼロ高等学院(以下、ゼロ高)を運営するベンチャー企業です。
「座学より行動」を重視する教育方針に、オンライン授業とオフラインの活動のハイブリッドシステムにより、「生徒のゼロをイチにする」場を目指していくとのこと。
また通信制高校の鹿島北高校と提携しているため、卒業時にはもちろん高校卒業資格を得られるほか、起業家志向の生徒だけでなく大学進学を選択することもできます。
ゼロ高のカリキュラムには次の3つのフェーズがあるそうです。
簡単に言えば、①自分ときちんと向き合うフェーズ、②やりたいことを見つけるフェーズ③実際にやりたいことのやり方を知るファーズ、そして実際に起業するというわけです。
主宰のホリエモンをはじめ、これらのカリキュラムを実際にサポートする顧問の先生方がこれまた豪華です。
ゼロ高は2022年現在、在校生は全国31都道府県から集まる106名で、他の高校からの転入生が多く偏差値60超えの生徒が30%を超えるとか。これを2029年までに生徒数1,000人を計画しているほか、将来的なEXITはバイアウトを想定しているそうです。
実際に2022年度に「ゼロ高」の中から10社の起業を目標にしているそうです。
また今後はそうした起業家を支援するためにも、ベンチャーキャピタル(VC)としての機能も設けていくとのこと。
高校生が起業することを当たり前とする社会をつくっていきたいという、株式会社ZERO EDUCATION&ARTS。なんだかワクワクしてきませんか?
ケース例③
有機農産物の国内シェア5%→25%に挑む!
株式会社オーガニック nico
投資家数:157人
エンジェル税制:なし
株主優待:季節のとれたて有機野菜セット
続いては有機農業をテーマにした京都府のアグリベンチャーのケースです。
現在、スーパーの青果コーナーに並ぶ綺麗な野菜や果物たちのほとんどは、成長の促す化成肥料と害虫や雑草を除去する農薬を使う慣行農業によって収穫された農産物だそうです。
ところが化成肥料は過剰投与が起きやすく土壌の微生物が死滅したり、農業廃水として近くの川や海を汚染する可能性が高くなります。
また農薬にいたってはミミズやクモなど益虫まで死滅させてしまうほか、農耕者や近隣住民に悪影響を与える可能性もあります。
こうしたことから、有機農業の普及が求められているのですが、安定的な収穫には高い技術的なハードルがあり、現在のところ有機農業の耕作面積のシェアはわずか0.5%にとどまっているのが現状です。
これを国の目標でもある25%に伸ばす、というのが株式会社オーガニック nicoのヴィジョン。25%ということからnicoという社名の由来になっています。
株式会社オーガニック nicoには、大きく2つの事業のもとに4つの柱があります。
有機野菜の生産・収穫・販売をになう有機野菜事業と、農業コンサル、スクール、受託研究を担うアグリサンエンス事業です。
要は「有機野菜の生産部門」で出てきた課題を「研究開発部門」で問題を解決し、それを「有機野菜の生産部門」が検証するというPDCAサイクルをまわすことでより多くのアイデアと技術を蓄積していくということです。
実は日本の農業というのは、生産部門と研究部門が一体となている会社は意外に少なく、それこそが株式会社オーガニック nicoの大きな強みになっているとのことです。
将来的なEXITはバイアウトを想定しており、KPIとしては2029年には年間11万kg以上の自社有機野菜の販売を計画しています。
また将来的には日本の有機野菜の生産ノウハウを海外にも展開していきたいとのこと。
誰もが有機野菜を日常的に食すことができる社会を目指して、ぜひとも見守っていきたい企業のひとつと言えないでしょうか?
ケース④
子どものグローバル教育支援サイト!
株式会社Edu.tor
投資家数: 115人
エンジェル税制:タイプA
株主優待:チューター個別相談サービスを割引価格で提供
最後に取り上げるのも教育系ベンチャー企業のケースです。
ファンディーノには、さまざまに幅広い分野のプロジェクトが紹介されていますが、教育系はとくに多い印象です。
それというのも、日本の教育システムが旧態依然としていて、時代のニーズに全く追いついていないことの現れなのかもしれません。
この株式会社Edu.torというのは、子育て世代に向けて、子どもたちのグローバル教育に関する情報提供をテーマにしたベンチャー企業です。
おそらく現在の親世代は、偏差値一辺倒の従来の学習ではなく、グローバルに生きて行く力を身に着けさせたいと考える人が増えているのでしょう。
ところが、留学生が減り続けている日本にはそうした情報をきちんと得られる場はほとんどないのが現状です。そうした事情を背景に子育て世代に向けて、グローバル教育の情報提供から相談までをサイトを通じてワンストップで提供しようというのが、株式会社Edu.torのビジョンなのです。
それを実現する仕込みが、「チューター個別相談サービス」です。ここでいうチューターとは、グローバル教育に関する個別相談に答える専門知識を持つ人材のこと。具体的には、株式会社Edu.torの専門サイトに登録された、教育のプロや子どものグローバル教育を実体験した先輩ママ・パパに、個別相談できるサービスです。
またこのほかに、2022年中には、学校情報サイトを立ち上げる予定で、独自の「グローバル教育指標」で学校の取り組みを評価し、ランキングしたりスコアをチャート化したり偏差値にとらわれない学校比較が可能になるとのこと。
また同じく2022年中には法人向けサービスも開始予定で、こちらが収益の柱に育てていく方針です。
将来的なEXITはバイアウトを想定。KPIとしては2029年までに法人契約社数190社を目指すとしています。
それと最後に書き忘れましたが、ユニークなのが最近テレビでお馴染みのイエール大学助教授の成田悠輔氏がこの企業の株主になっていることです。
日本人にとってとくに苦手なグローバル教育、風穴を開けられるか注目したいものです。
〈まとめ〉
さて、ファンディーノのプロジェクト紹介、いかがだったでしょうか?
ざっくりとした紹介でしたが、なかなかユニークなプロジェクトばかりだったと思いませんか?
こうした企業に10万円程度で応援できるとなれば、検討してみる価値は十分ありそうです。
ファンディーノのプロジェクトについては、これからも折を見て、紹介していきたいと思っています。
またファンディーノでもNEXT FUNDINNOというYou Tubeチャンネルで新しいプロジェクトを続々と紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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