FXスワップ投資ブーム再び!? 主要国の金利はどれくらい上がる?

米国をはじめ、世界中の中央銀行が高インフレを抑制するため積極的に利上げを行っているなか、日本銀行だけがマイナス金利政策を維持しており、今後外貨と円の金利差がますます開いていくことが予想されます。各国は2020年末までどれくらい金利を上げるのか、調査してみました。

スイス、欧州がマイナス金利政策解除へ

5月の消費者物価指数が40年ぶりの高水準となった米国をはじめ、世界中の中央銀行がインフレ対応に迫られています。6月15日にFOMC(米連邦公開市場委員会)は政策金利0.75%引き上げを決定。マイナス金利政策を採っていた欧州中央銀行(ECB)も7月に11年ぶりの利上げを行う予定です。9月の利上げもほぼ決まっているようで、これが実施されれば、欧州のマイナス金利政策は9月で解除となります。


同じくマイナス金利政策を採っているスイス国立銀行(SNB)もインフレ対応のため6月16日の会合で15年ぶりに政策金利を0.5%上げることを決定。こちらもECB同様、9月の利上げでマイナス金利政策が解除になる予定です。


ECBを参考に6年間マイナス金利政策を続けている日本銀行ですが、欧州と比べれば日本のインフレ率はまだ低く、当面は政策変更は考えていないというスタンス。マイナス金利を維持する日本と、他国の金利差はますます広がっていきそうです。

米国、カナダの金利はどこまで上がる?

米国の金利は現在1.75%。6月のFOMCで27年ぶりとなる0.75%の利上げを行いましたが、7月も再び0.75%の利上げが予想されています。3月時点の市場参加者の見通しでは、米国金利の2022年末の予想中央値は1.9%でしたが、現在は3.4%に大幅に引き上げられています。2023年末は3.8%の予想、2024年末の予想は3.4%となっていますので、2023年からは利下げに転じる見通しのようです。


カナダも同様に利上げ継続が予想されており、カナダ銀行(BOC、中央銀行)は7月の会合で0.75%の利上げを実施すると思われます。BOCのビュードライ副総裁は6月会合の際、「インフレ高進を定着させないために、政策金利を3.0%、あるいはこれを超える水準まで引き上げる必要がある」と発言しており、現在1.5%の政策金利は2022年末までに3.0%程度まで上がりそうです。

欧州、英国の金利はどこまで上がる?

前述の通り、マイナス金利政策を解除予定の欧州ですが、2022年末にはどれくらい金利が上がっているのでしょうか。ECBのラガルド総裁は、6月20日に行われた欧州議会の経済金融委員会で、今夏に政策金利を2回引き上げると発言しましたが、10、12月にも0.25%ずつ2回の政策金利引き上げが見込まれており、2022年末には0.5%まで上昇すると思われます。


英国ももちろん利上げ傾向です。イングランド銀行(BOE、中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は、6月17日にブルームバーグTVのインタビューに対し、「英経済は11%を超えるインフレに見舞われる一方、景気が低迷しており、金融政策を柔軟に運用する必要がある」と発言。今後大幅な利上げを行うことを示唆しました。ゴールドマン・サックスやドイツ銀行は8、9月のBOE会合でそれぞれ0.5%の利上げを予測しており、英国の金利は現在1.25%ですが、市場参加者は2022年末までに3.0%程度までの上昇を見込んでいるようです。

高金利通貨豪ドルの復活?

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のロウ総裁は、6月21日に行われた理事会において、「金利は依然として非常に低い」と発言しました。オーストラリアのインフレ率は年末までに7%に達する見通しで、過去数十年で最も高い水準であり、これに対応するさらなる利上げが見込まれています。


ロウ総裁は、7月の利上げは0.25%または0.5%の選択となり、それ以上の大幅な利上げを行う可能性は低い、と述べていますが、2022年末の金利見通しは3.5%と予測されています。現在の政策金利は0.85%ですが、このままいけば高金利通貨の代名詞だった豪ドルが復活しそうですね。


各国の現在の金利と2022年末の予想値を下記の表にまとめました。年末には金利3%を超える高金利通貨が続出しそうです。円と外貨の金利差を狙うスワップ投資が再びブームとなりFXが脚光を浴びるか、期待したいと思います。