そうだ、旅に出よう!検証!米国上場の旅行株7選。

新型コロナ禍が始まっていよいよ3回目の夏が到来間近!

長かった自粛生活の反動で、今年こそは思い切って海外旅行をしよう!なんて思っている人も多いのでは? 

いわゆる待ちに待った「リベンジトラベル」です。

そういうことなら、米国の旅行関連株の株価はさぞかし好調なのでは?

そんな単純な思いつきから、調べてみました。検証!米国の旅行関連株7選。


旅行予約サイトはまさかの...

米国の旅行関連株とえいば、まずは旅行予約サイトですね。


ケース① エクスペディア・グループ(EXPE)

米国のオンライン旅行会社といえば、日本ではエクスペディアが最も有名ですよね。

同業種内順位でいうと時価総額が8位、売上高は6位。この分類は米国会社四季報2022春夏号(東洋経済新報社)に準拠しており、エクスペディアはホテル・娯楽サービス(全24社)にカテゴライズされています。ちなみに同カテゴリーの1位はマクドナルドですから、8位といってもたいしたものです。

そんなエクスペディア・グループ。過去5年の株価チャートはというとこの通り...

どうでしょう?意外というか、まさかの低迷ぶりではないでしょうか?

エクスペディアは新型コロナ禍でドカンと一旦は急落したあと、財政出動と金融緩和にともない比較的順調に株価は上昇。コロナの終焉を先取りして22年2月16日には213.80ドルで最高値を更新しています。

ところがロシアによるウクライナ侵攻を機に流れは変わり、インフレ懸念、FRBによる金融引き締めの開始にともない急落に転じています。

結局、22年6月16日現在、96.33ドルと年初来安値を更新し続け、直近最高値からはなんと半値以下の▼54.94%に、コロナ禍前の水準からの▼21.56%に沈んでいます。


ケース② ブッキング・ホールディングス(BKNG)

いやな予感しかしませんが、同業のブッキング・ホールディングスも見てみましょう。

同じく旅行予約サイトとしてBooking.comが有名で、むしろエクスペディアよりも時価総額、売上高ともに大手です。

そんなブッキング・ホールディングスの過去5年の株価チャートがこちらです。


基本的にはやはりエクスペディアと似たような動きをしていますね。

やはりコロナ禍前に水準よりも低迷しており、間違ってもリベンジトラベルで好調などとは言えそうにありません。

ただし、ロシアによるウクライナ侵攻前に付けた最高値からの下落率は▼32.78%に、コロナ禍前の株価からは現在▼8.73%と、エクスペディアよりは安定しているようです。


ケース③ エアビーアンドビー(ABNB)

民泊仲介サイトのパイオニアと言えるのがエアビーアンドビーですね。リーマンショック時の不況の最中に誕生し、コロナ禍前には一世を風靡しましたね。

そんなエアビーアンドビーがナスダックに上場したのはコロナ禍真っ只中の2020年12月のこと。分類はマイクロソフトやウーバーと同じ、ソフトウェア・ITサービス(全133社)というビックカテゴリーですが、競業としてはエクスペディアやブッキング・ホールディングスとが正しい認識でしょう。

エアビーアンドビーの上場来の株価チャートがこちらです。

2020年12月の上場時の初値が139.25ドル付近。話題性が高かったことから翌年2021年の2月には212.68ドルの最高値をつけましたが、その後はコロナ禍で基本的には低迷し、直近では上場来安値を更新中です。2022年6月16日現在、93.26ドルと上場時よりも▼33.03%も低迷しています。

いずれにしても旅行予約、民泊サイトは総崩れのようです。

航空業界は流石にいい!?

気を取り直して、航空業界を覗いてみましょう。

ケース④ デルタ航空(DAL)

アメリカン航空、ユナイテッド・エアラインズとともに米国3大航空会社に数えられるのが世界有数の航空会社のデルタ航空です。

分類は旅客輸送サービス(全6社)で、同業種内順位では時価総額2位、売上高1位は圧巻です。ノースウエスト航空と統合して現在の体制を築いたほか、エールフランス、大韓航空、KLMオランダ航空などとのアライアンス、「スカイチーム」の創立メンバーとしても知られます。

そんなデルタ航空の過去5年の株価チャートがこちら..

いやあ、航空業界も冴えません。デルタ航空は新型コロナ禍で一気に▼67.74%も急落。こちらは仕方ないとして、その後もロックダウンの影響などでまさに鳴かず飛ばずに。

2022年に入ってからも低迷が続き、直近2022年6月16日には年初来安値を更新しています。

コロナ禍前の水準からはいまだに▼49.78%も下回ったままです。


ケース⑤ サウスウエスト航空(LUV)

もう一社、米国内線の最大手で格安航空会社のパイオニア、サウスウエスト航空ならどうでしょう?

同じく旅客輸送サービス(全6社)の中ではなんと時価総額1位、売上高は4位です。

米国会社四季報2022春夏号の解説では、ニッチな地方空港を結び、単一機材による効率運用で高収益を誇る、22年春以降、ビジネス客中心に緩やかな需要回復見込むとあります。

今度こそ期待ができそうです。

そんなサウスウエスト航空の過去5年の株価チャートがこちら...

残念!22年入って年初来高値を更新中なこと、コロナ前の水準からははるかに低迷中なことなど、基本的にはデルタ航空と同じような動きです。

ただし、サウスウエスト航空がデルタ航空と異なるのは2021年4月9日に63.42ドルとコロナ後の最高値をつけており、コロナ前の水準を一時期上回っていたことですね。

同時期にはデルタ航空もコロナ前の水準までは届いていないまでも株価が上昇基調でした。

ホテル業界もまだまだなの!?

続いて念のためホテル業界を確認しておきましょう。


ケース⑥ マリオット・インターナショナル(MAR)

マリオット・インターナショナルはマリオット、リッツ・カールトン、ウェスティン、シェラトンなど約30のホテルブランドを世界139の国・地域で展開する世界最大のホテルチェーンです。

分類はホテル・娯楽サービス(全24社)で同業種内順位では時価総額4位、売上高3位を誇ります。

同じく過去5年の株価チャートがこちら...

どうでしょう?こちらの株価チャートはいままでのケースとは明らかに違いますね。

コロナ禍で急落したあとは、基本的に右肩上がりに上昇し、21年の後半には少なくともコロナ前の水準を上回り、22年に入ってもしばらくは順調に成長を続けています。

残念ながら足元ではロシアによるウクライナ侵攻や金融引き締め、インフレや景気後退懸念などで急速に下げてきていますが、それでもなんとかコロナ前の水準をキープしています。

ようやく見つけた好調な旅行関連株と言ってもいいのではないでしょうか?

ホテル株をもうひと銘柄みてみましょう。


ケース⑦ ヒルトン・ワールドワイド(HLT)

こちらもヒルトンホテルズやコンラッドなどどちらかというと中価格帯の18のホテルブランドを展開する世界大手のホテルチェーンです。

同業種内順位では時価総額6位、売上高11位。米国会社四季報2022春夏号の解説では、22年は新型コロナの影響残るものの需要回復見込み、大幅増収増益の見通し、とあります。

ヒルトン・ワールドワイドの過去5年の株価チャートがこちら...


どうでしょう? 

ヒルトン・ワールドワイドはマリオット・インターナショナルにも増していい感じじゃないでしょうか?見ての通り、コロナ禍で急落した後は基本的に力強く右肩上がりに上昇。

御多分に洩れずロシアによるウクライナ侵攻以降、足元ではCPIの上昇やFOMCでの利上げ加速など相場の悪化に合わせて下落していますが、22年6月16日現在、なんとかコロナ前の水準を上回っています。(今晩にも下回る可能性もありますが...)

〈まとめ〉

さて、いかがだったでしょうか? そうだ、旅に出よう! 検証!米国上場の旅行株7選。

実はもうひと銘柄、世界最大のクルーズ会社のカーニバル(CCL)も取り上げようと思っていたのですが止めました。株価チャートを確認したところ長期低迷中で直近においてもコロナ禍前の水準を下回っていたからです(汗)。

というわけで米国の旅行株、予想を大きく裏切り、まだまだなかなか買いづらいというのが正直な印象です。

確かにコロナ禍はなんとか明けて、自由に旅行には行けるようにはなりそうです。ところが今度は超インフレの到来、円安の進行、さらにはFRBによる金融引き締めの加速にともない、景気後退、下手をするとスタグフレーションに陥るリスクも出てきました。

少なくともこのところの相場動向はそのことを私たちにはっきりと示しています。

しかし、だからと言ってコロナ禍が明けるのなら、旅行に出ない手はありません。

明けない夜はないーー。一足先に旅に出て、旅行株の復活を探るのも悪くになと思います。