結局コロナ禍で米国株はどう動いた?数値で検証! 超かんたん!!! 米国株講座④

100年に一度の惨事と言われたコロナ禍が始まって、早や2年と8カ月あまりーー。緊急事態宣言をともなわない夏休みを無事通過し、ようやく日常の生活に戻りつつある今日この頃です。

欧米ではすでにマスクを外した普通の生活に戻っている国が多いほか、日本でも大きな公園などではマスクを外して散歩やジョギングを楽しむ人の姿もちらほら目にするようになってきました。

そこで今回は、“結局コロナ禍で米国株はどう動いた?数値で検証!”と題して、コロナ禍での米国株の動きを総括してみたいと思います。

そうすることで、米国株の特性がよりダイナミックに見えてくるはずだと思うからです。

不定期連載、超かんたん!!! 米国株講座④ for beginners、スタートです。


本コラムは不定期連載コラム、超かんたん!!! 米国株講座③ for beginnersの続編です。

コロナ禍相場を振り返ってみよう!

さて、コロナ禍での米国株、みなさんはどんな印象を持っていますか?

まずは実際にハイテク銘柄を中心にいくつもの米国株に投資をしている筆者の印象をもとに振り返ってみます。

新型コロナウイルスの噂がちらほら聞こえてくるようになったのは、確か2020年に入ってから。それが2月に入ると急速に感染まん延がクローズアップされるようになりましたね。

結果、株価は急落、下げが下げを呼ぶように連日下落し続けたのを覚えています。

ところがしばらくするとFRBによる大胆な金融緩和が始まり、さらには米国政府による大型な財政出動も加わって相場は急速に反発、上昇相場に転じましたよね。

なかでも感染拡大にともなうロックダウンで巣篭り消費が活況となり、アマゾンやネットフリックスといった巣篭り関連銘柄の急上昇にはすさまじいものがありました。

結果、2020年の3月20日を底に長い大相場が始まり、2021年に至っては1年を通じて主要3指数はもとよりGAFAMと呼ばれるハイテク銘柄を中心に連日最高値を更新といった時期が続くことになりました。今思えば、あれはまさにコロナ禍バブルでした。

ところがところが、やはりバブルは崩壊するものです。2022年の新年を迎えると景色はガラッと変わっていきました。

金融緩和にともなうインフレ懸念が高まるようになっていたところに、ちょうど2月24日にはロシアがウクライナに侵攻。世界規模でのインフレの進行が確実になり、ついにはFRBは3月に入ると金融引き締め政策に転換。株価は連日のように下落するようになりましたね。

記憶の新しいところでは、3月の消費者物価指数(CPI)が40年ぶりの高水準に上昇し、一気にインフレ懸念が高まり、やがてダウ平均は90年ぶりとなる8週連続の下落を記録、S&P500とナスダックも7週連続で下落し続けました。

こうして6月の半ばにかけて3指数はそろって年初来安値を更新し続けたというわけです。

その後は7月のCPIが若干市場予想を下回ったことで、インフレ懸念が後退するとの楽観論が市場にまん延。来年には再び利下げされるとの観測が広がり株価は再び上昇に。

ところがこの楽観論に対しては、ジャクソン会議の講演でFRBのパウエル氏がピシャリと否定。少なくとも来年2023年中の利下げはないとの観測が広がり、反対に景気後退リスクの高まりから、直近足元では3指数そろって下げ基調となっています。

フゥ~、米国株はまさにジェットコースターのようなアップダウンを繰り返す、怒涛の2年8カ月あまりでしたね。

検証!主要3指数はどう動いた?

では実際にどう動いたのか?数値で検証して行きましょう。

まずはダウ平均から...

(ダウ平均=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

いかがでしょう?

コロナ前のダウ平均というのはまだ2万ドル台後半で、ちょうど3万ドルの大台をうかがう途上だったんですね。それが2020年2月14日を最後に急落に転じ、3月20日には1万9,173ドル(▼34.8%)と、ほぼひと月強で10,200ドルも暴落しました。

ところがそこからは金融緩和と大型財政出動の動員で上昇に転じ、2020年12月にはついに3万ドルを突破、その後も2021年を通じて上昇し続け、2022年の1月4日にはコロナ後の最安値から2倍近く高い、36,799ドルを付け史上最高値を更新しています。

しかし、そこまでがピークでしたね。その後はインフレ懸念と金融引き締めへの転換で下落。年初来安値を更新し続け、22年6月17日には最高値から18.8%も低い29,888ドルと年初ら安値を更新しました。

足元では何とか3万ドルを回復しているものの、驚くのはそれでもコロナ禍の直前に比べれば、7.4%成長していることがわかります。

S&P500とナスダックも見てみましょう。

(S&P500=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

(ナスダック=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

基本的にはダウ平均と同じような流れです。もっともS&P500とナスダックの方がアップダウンの振れ幅がより激しいのが一目で見てとれます。とくにナスダックについては、コロナの発生で30%近く急落した後にそこから今度は2.3倍に上昇、さらにはそこから30%以上急落します。

こうして結局はどうなったのかと言えば、それでもコロナ前に比べるとS&P500は約△18%、ナスダックは△21%成長していることがわかります。

主要3指数は大きな惨事ですったもんだありながら、天国と地獄を繰り返しながら、最後は一段階上によじ登っている。米国株にはそんなたくましいダイナミックさを感じないでしょうか?

個別銘柄でも確認してみよう!?

続いては個別銘柄の確認に移りましょう。

筆者も保有しており、個人的にはコロ禍で最もアップダウンが激しかった印象を持っている、半導体のエヌビディアです。こんな感じでした。

(エヌビディア【NVDA】=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

エヌビディアは当初コロナの発生で30%も急落しているのですが、その後の値動きが激し過ぎて、チャート上ではもはや小さな谷にしか見えませんね。

コロナ発生で急落後はやはり上昇に転じ、株価は1年8カ月で6.5倍に成長。2021年11月29日には史上最高値を更新します。

ところがこれをピークにどん化が始まり急落へ。2022年に入ると何度も年初来安値を更新し続け、直近では9月6日にも年初来安値を更新。なんと最高値からの下落率は▼60%近くまで売り込まれてしまいました。

しかし、それでも足元の株価はコロン前に比べて、約87%も上昇している計算です。

あっと、筆者の保有株の中にも同じような銘柄はもう一社ありました。何かとお騒がせのイーロン・マスク氏率いる、電気自動車のテスラです。

(テスラ【TSLA】=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

こうして見ると基本的にエヌビディアにも負けていない激しい上下動ですね。

テスラはコロナの発生でエヌビディアをはるかに上回る約53%も急落。その割にチャートでみるとこの程度です。

その後、上昇に転じてからもアップダウンを繰り返しながら基本的には急上昇を続け、2021年11月4日には史上最高値を更新します。この値はコロナ後の最安値に対して、なんと14倍の成長力です。

ところが御多分に洩れず22年に入ってからは下落が目立つようになり、足元の5月24日には約半値まで下がってしまいます。

その後もテスラの株価はアップダウンを繰り返しながら、足元の9月7日時点では283.7ドルで推移。コロナ前の水準からは比べれば、4.7倍に成長しているというから驚きます。

テスラは今回のコロナ禍で頭角を表し、激しいアップダウンをしながら急成長を遂げた典型的なコロナ銘柄かもしれません。!本当の暴れ馬とはこのことです。


さて、もう少しオーソドックスな銘柄の例も見てみましょう。

米国株の時価総額No.1と言えば、アップルです。

(アップル【AAPL】=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

アップルも他のハイテク銘柄と基本的には同じパターンながら、エヌビディアやテスラに比べるとなんだかとても安定しているように見えてしまうから面白いですよね。

細かくみればやはり大きく下げては上げて、また下げて、結局はそれでもコロナ前の水準に比べると株価は足元で92%も成長しています。流石米国株を代表する安定大企業のアップルです。

ハイテク銘柄以外はどうだった?

ここまでは時価総額が大きいという理由からハイテク株ばかりになってしまいましたが、他の分野の銘柄も見てみましょう。

コロナと言えばやはり大手製薬会社のファイザーですね。

(ファイザー【PFE】=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

ファイザーも流れは基本的には主要ハイテク株と同じですが、値動きはハイテク株と比べればずいぶんと安定しています。

チャートで見るとコロナ発生後の落ち込みが激しかったように見えますが、実は下落率は23.7%とハイテク株に比べれば控えめです。

その後も比較的控えめな上下動を繰り替えしながら基本的には上昇し、2021年12月16日に過去最高値を更新。コロナ前の70%も株価は上昇しました。

その後ワクチンの普及とともに調整はしましたが、流石、RNAワクチンでコロナを抑え込んだファイザーです。株価はコロナ前の水準に比べ直近で28%の成長をキープしています。

最後にエネルギー危機で一気に需要が高まった、石油などエネルギー関連のシェブロンを見てみましょう。

(シェブロン【CVX】=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

シェブロンの株価のパターンは少し違っていますね。

コロナの発生で大きく下落したのは同じですが、上昇に転じた後は基本的に右肩上がりに上がり続け、直近では2022年の6月8日に市場最高値を更新しています。

このことはコロナ禍もさることながらロシアによるウクライナ侵攻による原油高が大きく影響しているは間違いありません。こうした問題が落ち着いて急速なインフレが治まるまでは上昇が続くと思われます。

足元では少し株価は調整していますが、それでもコロナ前から40%を上回る上昇を記録しています。コロナ禍を経て、最も成長したセクターとも言えそうですね。

コロナ前を下回る銘柄も...

もちろん株価がコロナ禍前の水準よりも下がってしまっている銘柄もいくつもあります。

例えば動画配信のネットフリックスはその代表例でしょう。

(ネットフリックス【NFLX】=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

ネットフリックスもコロナの発生で当初は値を下げたものの、下落率は比較的小さく、むしろ巣篭り消費の活況を追い風にその後大きく上昇した銘柄の代表格です。21年11月17日にはコロナ直後の水準から2倍に成長して、過去最高値を更新しました。

ところがその後は、徐々にコロナ禍からの解除が進むにともない急速に失速。22年4月に発表した決算で会員数が初めて減少したことが伝わると大きく売り込まれることになりました。そして5月には年初来安値を更新。過去最高値からはなんと▼76%の水準まで下がってしまいました。

流石に足元では下げ止まってはいますが、結局、ネットフリックスの株価はコロナ禍前の▼40%近い水準に甘んじています。

メタもGAFAMの中で唯一、コロナ禍前の水準に届いていない銘柄のひとつです。

(メタ【FB】=過去5年間)

2017年9月8日~2022年9月7日

メタもコロナ禍で大きく下落した後上昇に転じ、21年9月7日には2.5倍の成長を記録し過去最高値を更新しています。

しかし、その後は内部告発スキャンダルやネット広告規制問題などに見舞われ失速。2022年6月22日には、年初来安値を更新し、最高値から▼60%近い水準まで下がってしまいます。

そうして足元直近ではコロナ前に比べ▼25%と低迷が続いています。

6月1日にはネット広告事業を引っ張ってきたシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)の退任が発表されたように、メタは今後ネット広告事業依存からいかに脱却できるか、がカギになりそう。それには社名を変えてまで挑む、メタバース事業が順調に花開くか?そのへんがメタの今後を左右しそうですね。

〈まとめ〉

さて、いかがだったでしょうか?

”結局コロナ禍で米国株はどう動いたか?数値で検証!” 米国株にはまだ投資したことがないという人も、コロナ禍での米国株投資のダイナミズムを少しは疑似体験できたでしょうか?

米国株が大好きな筆者は改めて思います。

10年20年先といった中長期をみすえ、きちんと有望銘柄を選別すれば、米国株というのはコロナ禍のようなたとえ100年に一度の惨事に見舞われても、たくましくダイナミックに乗り越えていくのだなあということです。

また過去もそうであったように、コロナ禍のような大きなピンチの裏側では、必ずこれまでにない新しい有望銘柄が育っているものです。一体それはどの銘柄なのか?そんな未知の有望銘柄を発掘し甲斐が大いにあるのも米国の魅力です。

これから米国株にチャレンジしてみようと思った人が1人でも増えてたなら、こんな光栄なことはありません。少なくとも楽しい人生を送れるはずだと思うからです。