新NISA 徹底攻略。実践編 ~ロールオーバーを使い倒せ!~

前回は新NISA徹底解説。概要編~何が変って何が変らないの?~と題し、まずは新NISAの概略をざっくり解説しました。

後編の本コラムではいよいよ実践編です。現在、すでに一般NISAをやっている人、もしくは終了する2023年までに始めたいと考えている人は、2024年の新NISAの導入にどう対応すればいいのか? それこそがテーマです。

その際避けて通れないのが”ロールオーバー”というキーワードでしょう。

“ロールオーバー?何ですかそれ?初めて聞きました!”なんてーー。すでに一般NISAをやっている人であっても、もしかしたら知らない人が多いかもしれません。

とはいえこのロールオーバーほど、一般NISAや新NISAを始めるうえで強力なしくみはないのです。

現在、一般NISAをやっている人、これから始める人は新NISAとどうかかわっていくのか?

実践編としてその奥深い魅力とルールを見ていきましょう。


本コラムは下記の新NISA徹底攻略。概要編~何が変って何が変らないの?~の続編です。併せてご覧ください。

まずはロールオーバーってなあに?

ではロールオーバーとは一体何でしょうか?実践編はここからスタートしましょう。

非課税期間は延長可能!?

まずはおさらいです。一般NISAも新NISAも非課税期間は投資した年を含めて5年間でしたね。ではこの5年の非課税期間が終了した後は保有してきた金融商品はどうなるのでしょうか?

その選択肢は3つあります。

選択① 普通の課税口座に自動で移管(なにもしなければ)

選択② 売却(現金化する)

選択③ NISAの翌年の非課税枠に移管 (届け出をすることで)

そうです。なんと翌年のNISAの非課税枠に入れ直す、という第3の道があるのです。これが“ロールオーバー”です。こうすることで実は5年間の非課税期間がもう5年、合計10年に引き延ばすことができるのです。

つまり、ロールオーバーとは現行の一般NISAで非課税期間(5年)が終了した際に、保有する金融商品を翌年の新たな非課税投資枠に移管することなのです。

なぜロールオーバーの有利なの?

ではなぜゼロから投資をし直すよりもロールオーバーをした方が有利なのでしょうか?

ひとつはよりいっそう長期投資の効果を享受できること、もう1つは5年の非課税期間で増えた分を含めて全額を次の非課税枠に移管できることです。

例えば一般NISAの口座で5年運用した結果、120万円が140万円に増えたたとしましょう。一般NISAの上限額は新規の投資なら120円ですが、ロールオーバーならこの場合140万円全額を受け入れてもらえます。

結果20万円分も非課税投資枠が自動で増えたことになります。これを5年ごとに繰り返していけたらその効果は計り知れませんね。

新NISAでロールオーバーが復活!!

とはいえ一般NISAは2023年で新規の投資が終了してしまいます。そうすると2019年以降にNISA口座で投資した分は非課税期間が終わるのが2024年以降となり、事実上ロールオーバーはできなくなるはずでした。

ところがところが、2024年に新NISAの導入が決まったことで、一般NISAから新NISAへのロールオーバーが可能になったというわけです。

新NISAへのロールオーバー

とはいえ新NISAは一般NISAと異なり2階建です。非課税期間終了時の全額を移管できるというメリットは変わらないものの、移管ルールがかなり複雑です。わかりずらいと言われる評判のほとんどがこの点に集約されています。

具体例で確認していきましょう。

ケース① 移管残高が限度額を超えてる場合...

今一度おさらいすると、新NISAの投資限度額は1階部分が20万円、2階部分が102円で合計122万円まででした。しかし、ロールオーバーであれば新NISAであっても全額移管できます。

例えば、一般NISAで5年間運用した株式が120万円から150万円に増えていたなら、まるまる150万円をそのまま移管可能です。

このケースでは、新規で投資するよりも28万(150万円―122万円)も投資枠が広がったことになります。

もっともその年はそれ以上新規の投資はできなくはなります。

ケース② 移管したい資産額が限度額に満たない場合

一方、ロールオーバーしたい額が122万に満たない場合はどうでしょう?このケースでは新NISAの場合、まず2階部分の枠から使うのがルールです。

例えば移管時の残高が110万円だったなら、まずは2階部分の102万円から使います。すると102万ー110万円で8万円分足りません。そこでこの足りない8万円は今度は1階部分の20万円から融通します。

すると1階部分はまだ12万円(20万円―8万円)分の枠が残ります。その年は最大12万円分まで積立投資ができるというわけです。

ケース③ 移管資産額が1階部分の上限に満たないなら...

今度は移管したい金額が2階部分の限度額102万円に満たない場合はどうでしょう。

例えば70万円を移管するとしましょう。すると同じくまずは2階部分から消費するルールなので102万円−70万円で、32万円が残ります。

とういうことでその年は2階部分でも32万円分の新規投資が可能なります。

とはいえここでおさらいです。そうです。2階部分で新規投資するためには、必ず若干でもかまわないのでまずは1階部分で積立投資をしなければなららい、というのが新NISAのルールでしたね。

ということで、このケースではまずは20万円を上限に1階で積立投資をしたうえで、2階部分で株式であれ投資信託であれETFであれ好きな商品に32万円分新たに投資できるというわけです。

もっとも概要編でもお伝えしたように新NISAでは、2階部分の投資対象からは高いレバレッジを効かした投資信託や個別株の管理銘柄・整理銘柄などは対象外です。

このため、新NISAへのロールオーバーや新規投資はできないので、注意したいですね。

つみたてNISAへのロールオーバーも可能に!

一方、新NISAの1階部分に関しては5年間の非課税期間を消化後、今度はつみたてNISAへロールオーバーをすることが可能になります。

この際も、5年間の非課税期間でいくらに増えていたとしても購入時の金額(簿価)で、移管してもらえるのでたいへんお得です。

具体的には新NISAの一階部分で上限額の20万円分の積立投資をして、ロールオーバー時に30万円になっていたとしても全額受け入れてもらったうえで簿価の20万円でカウントしてもらえます。このため、つみたてNISAの上限額である40万円−20万円で、もう20万円分積立投資ができるのです。

結果、つみたて投資を最長25年間、非課税にすることが可能になります。

もっとも新NISA自体がこれから始まる新制度です。決まっていないだけで、新NISA自体も2028年を超えて延長される可能性はあります。

そうなれば、新NISA全体をロールオーバーできるようになるかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか? 新NISA徹底解説。前後編を通して複雑なしくみながら案外手厚い制度になっていたことがわかっていただけたのではないでしょうか?

いずれにしてももしあなたが投資の初心者であれば、つみたてNISA一択で決まり。また経験者ではあっても長期の視点で資産形成のベースに使いたいという人もつみたてNISAがオススメでしょう。

一方、投資経験者で徹底的に有利でおトクに積極的に投資に挑んでいきたいという方なら、当然一般NISA、新NISAと使い倒さない手はありません。

複雑ながらそれほどうま味の高い充実した制度に仕上がっていると感じます。

まずは一般NISAを使い倒しながら、新NISAへロールオーバーと非課税枠を最大限使いこなし、最後はつみたてNISAにロールオーバーしてできるところまで行く!!

そこまでいったら、あなたはまさにNISAの達人と言ってよいでしょう。

いずれにしても誰にも共通して言えるには、一日でも早く、始めにゃソンソンということでしょう。