新NISA徹底攻略。概要編 ~何が変って何が変らないの?~

2014年1月に始まったNISA(少額投資非課税制度)――。早いもので一般NISAの新規投資枠は2023年末で終了してしまいます。

変わって2024年からは、新NISAに衣替えして新たなスタートを切りますね。

すでに何らかのNISAを始めている人、これから始めようと考えている人は、早くも気になっているのではないでしょうか?


そこでここでは新NISAに衣替えすることで”いったい何が変わって、あるいは何が変らないのか?”。一般NISAとつみたてNISAに的を絞って、概要 編と実践 編の前後 編に分けて攻略していきます。

ずいぶんと複雑なしくみになるらしい、との前評判が聞こえてくる、新NISAの疑問点を一気に解消していきましょう。


ちなみに本コラムは下記 “どちらがいいの?一般NISA vs.つみたてNISA”の続編という位置づけです。併せて目を通していただけると幸いです。


まずは「つみたてNISA」から...

つみたてNISAは国の認定を受けた投資信託やETFを一定額ずつ積み立てていき、最長20年にわたって、利益(売却益・配当・分配金など)を非課税にできる制度でしたね。

年間に投資できる上限額は40万円でした。


結論からいうと、このつみたてNISAの内容自体には全く変更はありません。

ただし、つみたてNISAで新規に投資できる期間は2037年まででしたが、新NISAの導入に合わせて2042年まで5年間延長されることになりました。

ということは、仮に2022年からつみたてNISAを始めた場合、これまで通りなら新規投資枠は2037年までの16年間で終わってしまうところ、延長にともないまるまる21年間分の新規投資枠を獲得できるようになったということです。

そうすると最終年の2042年に投資した分は、そこから20年間、つまり2061年までの利益が非課税になるわけです。

これなら老後資金の準備という点でもホントに心強いですよね。

しかもiDeCoと違って不測の事態で急にまとまった資金が必要になった際には、いつでも自由に解約できます。シンプルでわかりやすく使い勝手もいい、よく出来た制度に仕上がっています。

では「新NISA」はどうなる?

一方、一般NISAから衣替えして始まる新NISAについては、結構大きく変わり少し複雑になりそうです。5つのポイントにまとめて説明しましょう。

ポイント① 投資枠が2階建に

まず最大の変更点は投資枠が2階建になったことです。

現行の一般NISAの投資枠は1階建てで、投資対象は国内外を問わず、株式・投資信託・ETF・RETTなどでしたね。


これに対して新NISAでは、これまでの投資枠が2階に上がり、1階部分として新たにつみたてNISA用の投資枠が加わります。

1階部分の投資枠の投資対象は、現在のつみたてNISAと全く同じす。すなわち、つみたてNISA用に国の認定を受けた投資信託で、投資方法は一定額ごとの積立購入です。


ようするに、現行の一般NISAに、つみたてNISAを加えた制度に変るのです。

なぜそうするのかというと、「家計の安定的な資産形成」を支援するべく、少額から始められる長期・積立・分散投資をより幅広い層に促したい、といった意図があるようです。

ポイント② 投資枠の総額が若干増額!!

この新設された1階部分の投資枠は年間で最大20万円までと定められており、原則1階部分でいくらでもかまわないので積立投資をすることで2階部分に投資する権利が得られるしくみです。

2階部分の投資枠年間では最大102万円と定められており、1階部分と2階部分を合わせると年間で最大122万円となり、現行の一般NISAの最大120万円よりも2万円増額されるというわけです。

2階部分の投資方法については現行の一般NISAと同じで、スポットでも積立投資でもかまいません。

ポイント③ 期間は2028年までの5年間

現行の一般NISAを引き継ぐかたちで新しく始まる一般NISAの投資可能期間は2024年~2028年の5年間です。

もちろん決まってはいないだけで、その後も延長される可能性はあります。

ポイント④ 2階だけを利用することも可能

先ほどは原則1階部分で積立投資をすることで、2階部分に投資する権利が得られる、といいましたが、例外もあります。

実は現行の一般NISAの利用者や個別株の経験者については、利用する証券会社に事前に届け出ることで、2階だけを利用することも可能になります。

ただし、その場合は投資対象が国内外を問わず個別株のみに限られ、投資信託やETF、REITなどには投資できなくなります。

それもだからといって、2階部分だけで年間最大122万円をフルで使えるわけではなく、あくまで2階部分が持つ年間最大102万円の投資枠に限られます。

そうであれば、1階部分のつみたて投資枠も合わせて利用した方が良さそうです。

ポイント⑤ レバレッジの効いた投資信託は対象外??

最後のポイントになりますが、新NISAのスタートにともない、一般NISAの2階部分の投資対象からは高いレバレッジを効かした投資信託や個別株の管理銘柄・整理銘柄などを対象外とすることが決まっています。

もっとも具体的にどの投資信託が対象外となるのかは、まだ決まっていないのが現状(2021年12月現在)ですので、今後の動向を注視する必要がありそうです。


現行の一般NISAと新NISAの特性をまとめた表が下記です。何が変って、何が変らないのか?あらためて見比べてみてください。

まとめ

さて、いかがでしょうか? 前編では概要編と題して、新NISAのスタートで何が変って、何が変らないのか?その概要と全体像をなるべくわかりやすくお伝えしました。

もっとも新NISAのお話は、実はこの後からがより重要で醍醐味のあるところです。

ではすでに現行の一般NISAを利用中の人、あるいは2023年末までに始めたいと考えている人は新NISAの導入でどんな影響を受けるのか? 

後編は実践編としてその点を中心に攻略していきましょう。


新NISAが複雑でわかりづらいとの評判を一つひとつ解消していきます。

近々アップ予定ですので、乞うご期待!!