トルコリラ往復ビンタ 買っても地獄、売っても地獄!?

15年前は100円程度だったトルコリラ。強烈な下落トレンドに乗って、2021年12月20日には6.16円まで大暴落。5円台突入は確実か、と思われていたのですが、そこからまさかの急上昇!12月23日には11円台を突破しました。いったい、トルコリラに何が起こっているのでしょうか。

トルコリラ突然の爆騰

トルコのエルドアン大統領は今年11月から力強い(?)利下げ志向のメッセージを繰り返し、トルコリラはドルや円に対して下落の勢いを強めていました。

ワタヤンは11月28日の記事で、「8円台のトルコリラ円は下がり過ぎかも?でも、やっぱり上昇の未来が見えないので買えない…」とビビっていましたが、結果的には、あそこで買って、12月23日に11円台で売れていれば、大きな収益を得られたことになります。

しかし、もしトルコリラ円を取引していたなら、「トルコリラ円が上昇する要因は考えられない。必ず5円を割るはず。仕掛けるなら売り!」と判断し、底で売りポジションを抱えて、大きな損失を出してしまった可能性の方が高いと思います。あそこで手を出さなくて本当に良かった…

リラ預金の価値を政府が保護

下がりっぱなしだったトルコリラが上昇した要因は、エルドアン大統領が12月20日に「リラ建て預金の価値を政府が保護する」という政策を発表したためです。

これは、トルコリラがドルなど主要通貨に対して下落し、その下落率がリラ建て預金の利率より大きかった場合、トルコ政府が補填してくれる、というもの。

エルドアン大統領は、「これで国民は為替相場の変動を恐れることなくリラ預金ができる」と豪語。トルコリラが下落していた大きな要因のひとつに、自国通貨の価値が不安定なため、資産を外貨に替える動きが大きかったことがありますが、この政策により、リラの安心感が広がり、トルコリラ円も急上昇、となりました。

買いも売りも負け往復ビンタを喰らう人も

高金利通貨を好む日本人FX投資家のポジションは、圧倒的にトルコリラ円の買いに傾いていました。トルコリラ円の買いポジションを持っていれば、トルコリラと円の金利差をスワップポイントとして受け取ることができるため、価格が下落しても、ほとんどの人が我慢して持ち続けるのです。

しかし、レバレッジをかけてトルコリラ円を買っていた人たちは、結局は大多数が下落に耐えられず、ロスカットとなり、大きな損失を出して相場から退場することになります(ワタヤンも昔、かなりやられました…)。

100円だったトルコリラ円が10円を切る状況ですから、たとえレバレッジを3倍、2倍まで下げたとしても、生き残ることは不可能でしょう。

マネーライターの高城泰氏の調べによると、東京証券所が提供する「くりっく365」のトルコリラ円のポジションは、ここ一ヵ月半の間で、半分に減ってしまったそうです。


そして、ここ数日の間で、トルコリラ円の売りポジションの割合が急増しているとのこと。トルコリラ円を買っていた投資家が退場し、売りから入る投資家が増えたところで、今度は急上昇を始めたわけですから、たまったものではありません。買いで負けて、売りでも損失の「往復ビンタ」を喰らっている人もかなりいるのではないでしょうか。

Twitterのトレンドにも名前があがる、人気の投資家「岐阜暴威」さんもトルコリラ円の上昇につかまり、12月21日に6.5円で売っていたトルコリラ円を、すぐに7.57円で損切りしたそうです。11円台まで持ち続けなかったのは不幸中の幸いでした…

一方的な下落トレンドは終了、チャンス到来?

トルコリラ円の思わぬ急上昇、買い一辺倒だった日本人投資家のポジション比率の変化など、トルコリラ円を巡る環境は大きく変わろうとしています。

買いでも売りでも損をする、ということは、一方的な下落トレンドではなく、レンジ相場に入った可能性がありますので、やり方次第で「買いでも売りでも儲けられる」かもしれません。

レンジ相場ならトラリピの出番。相場の状況を見極めて、レンジ相場入りが確実であるなら、スワップポイントではなく、為替差益を狙った買いor売りの戦略を考えてみようと思います。

注意しなければならないのは、短期的な相場の急変動です。8円のトルコリラが数日で11円に上昇したり、11円のトルコリラが1日も立たず9円台に下落するなど、今のトルコリラ円は何が起こるかわかりません。

金融機関によっては一時的にトルコリラ円のレートを止めたり、レバレッジの限度を縮小する動きもあるようです。

トルコリラ円に手を出すなら、石橋を叩いて渡る気持ちで、極力リスクを抑える手立てを講じてから臨むべきでしょう。

(ワタヤン)