ついにEV強化に本腰!日本経済を支える国内自動車メーカー

100年に1度の変革期と言われている自動車産業。その背景には、世界的な脱炭素に向けた取り組みの加速があります。そんな中、トヨタ自動車が2030年までにEV車を全世界で年間販売台数を320万台にするという目標を発表しました。

今回は自動車産業の現状を整理しながら、国内の自動車メーカーの今後の動向などにも注目してみたいと思います。

日本における自動車産業の重要性

そもそも、日本の自動車産業がどのくらい日本経済に影響しているのでしょうか。2020年の日本全体の貿易額は、輸出額が約68兆4,005億円、輸入額が約67兆8,371億円となっています。そのうち、自動車の輸出額は全体の約14%を占める約9兆5,111億円に及び、日本経済を支える基幹産業と言えます。また、2020年日本の輸出品目のシェアをグラフで表すと以下のようになります。

出所:経済産業省「激変する世界情勢の中での日本の貿易投資動向」から作成

自動車ってどこの国で売れてるの?

日本の経済を支えている自動車産業ですが、2020 年は世界中で約7,797万台(新車登録・販売台数)売れています。7,797万台もかなりの販売台数ですが、新型コロナウイルスの影響を受け、前年比13.8%減となっています。

では、どこの国で自動車は売れているのでしょう。トップ5は下記の国になります。

1位:中国    2,531万台

2位:アメリカ  1,445万台

3位:日本       460万台

4位:ドイツ      374万台

5位:インド      294万台

出所:日本貿易振興機構(ジェトロ)

上記の通り、一番自動車が売れている国は中国となります。内訳は乗用車が約2,017 万 8,000 台、商用車は約 513 万 3,000 台となります。同国は日本の自動車の輸出先としては、アメリカに次ぐ第2位。日本にとっても重要な市場と言えるでしょう。

自動車メーカーの販売台数ランキング

では、世界で一番売れている自動車メーカーは何でしょうか。

2020年の世界新車販売台数のトップ5は以下の通り。

1位:トヨタ自動車        約952万台

2位:フォルクスワーゲン     約930万台

3位:日産・ルノー・三菱グループ 約779万台

4位:ゼネラル・モーターズ    約682万台

5位:現代自動車         約640万台

出所:業界動向search.com

2020年はフォルクスワーゲン(VW)グループを抜き5年ぶりに「トヨタ自動車」が首位になった年となります。ちなみにトップ10の内、第8位には約440万台販売した日本の自動車メーカー「ホンダ社」がランクインしています。

100年に1度の変革期

自動車産業は2015年のパリ協定以降、省エネ・脱炭素化への流れが加速しており100年に1度の変革期と言われています。

2021年11月に開催された国連気候変動枠組み条約「第26回締約国会議(COP 26)」では、30カ国以上が2040年までに内燃機関車の販売を禁止する宣言に署名しました。一方で、日本、アメリカ、中国、ドイツなど自動車の利用が多い国は署名していません。ただ、アメリカのフォード、中国のBYD、ドイツのメルセデス・ベンツなどは自動車メーカーとして署名しています。この宣言に法的拘束力はないものの、脱炭素化に向けた環境に配慮したEV車などの市場拡大がますます加速していきそうです。

国内自動車メーカーの動向

2020年販売台数でトップ5入りしたトヨタ自動車と日産自動車ですが、2社ともにEV関連の投資に積極的です。トヨタ自動車と日産自動車がすでに発表している今後の戦略を見ていきましょう。

トヨタ自動車

トヨタ自動車はこれまで、EV車の販売にはあまりポジティブではないという評価を受けてきました。しかし、つい先日発表された計画が大きな話題を呼んでいます。

まず、2030年までに商用車と乗用車で新型EVを30車種発表し、同年にはEV車をグローバルで年間350万台販売するというものです。さらにレクサスブランドは2035年までにEV販売比率100%を達成する計画です。

また今後の投資計画として、2030年までに全体で約8兆円を予定しています。内訳はバッテリー関連に2兆円、EVの車両開発に2兆円、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車に4兆円となり、大規模な投資が行われる見込みです。

そして、国内におけるEV車のシェアが伸びない要因の一つでもある充電スポットの問題においても、2025年までに全国のトヨタ販売店に急速充電器の設置を予定しています。

日産自動車

日産自動車もまた、2年ごとに明確なターゲットを設けているようです。

まず、2026年までにはEVとe-POWER搭載車を合わせて20車種の導入。各主要市場における電動車の販売比率を日本55%以上、アメリカは2030年までに40%以上(EVのみ)、欧州は75%以上の中国で40%以上まで引き上げる予定です。

その後、2028年度までに自社開発の全固体電池(ASSB)を搭載したEV車を市場投入。それに向けて、2024年度までに日産の横浜工場内にパイロット生産ラインの導入を予定しています。

また今後5年間で約2兆円の投資を行い、2030年までに23車種の電動車を導入。グローバル市場において日産とインフィニティの両ブランドをあわせて電動車のモデルミックスを50%以上とすることを計画しています。


まとめ

日本経済の基幹産業である自動車産業は、これまでエンジンの強みを活かしながら販売台数を増やしグローバルで活躍してきました。しかし、EV車の市場拡大により、日本の自動車メーカーは今後その強みを失いつつあります。

実際、世界最多の新車販売台数を誇るトヨタ自動車ですが、企業評価の一側面と言える時価総額では、EV大手のアメリカの「テスラ」に負けている状態です。

テスラ 株価:9,625.98億 USD(日本円で約109兆8998億1366万円)

トヨタ 時価総額:34.91兆円

2021年12月16日時点

※時価総額について知りたい方はこちら 

それほど、EV車への市場期待は大きくなっているといえます。

今後、日本の各自動車メーカーもEV車市場への積極な参入を行うことで、市場価値の面でもテスラのような成長が期待できるかもしれませんね。