100円から8円に大暴落!トルコリラには手を出すな!?

高金利通貨として一世を風靡したトルコの通貨トルコリラ。2007年には100円近かった価格が、右肩下がりの下落を続けて、2021年11月23日には10分の1以下の8円台に…

ここまで下がったら、もう買ってもいいんじゃない!?マネー探検隊のワタヤンが、トルコリラの今の投資環境を調査しました。

高金利が魅力のトルコリラ

トルコは地理的にみれば欧州、中東、アジア、アフリカに近接しており、世界の中心地にあるといえます。様々な文明の影響を受け、発展したトルコの文化はエキゾチックで魅力的。

世界遺産カッパドキアやトプカプ宮殿は世界中から観光客を集め、オスマン帝国時代に洗練を極めたトルコ料理はフランス料理、中国料理とならぶ「世界三大料理」のひとつに数えられています(ケバブ最高!)。

トルコの通貨、トルコリラの最大の魅力は、なんといっても高金利であること。トルコの政策金利は15%(2021年11月時点)。FXでトルコリラ円の通貨ペアを買い、保有していれば、円との金利差がスワップポイントとして日々得られます。

FX会社によってスワップポイントの価格はまちまちですが、高いところでは1万通貨あたり1日40円程度もらえる場合も。トルコリラ円を1万通貨買い、1年間保有していれば、スワップポイントだけで14,600円の利益が得られます。10万通貨買っていれば、利益は146,000円です。これは魅力的!

直近1年間トルコリラを買っていたらどうなった?

では、直近1年間でトルコリラ円を10万通貨保有していたら、どうなったでしょう。

スワップポイントは146,000円ついていたと仮定します。

トルコリラ円を2020年11月26日に13.20円で10万通貨買い、2021年11月26日に9.20円で売った場合、為替差損は-4円×10万通貨=-400,000円となります。スワップポイント146,000円と合算すると、-254000円。

ダメだ、全然儲からない…いくらスワップポイントが得られても、1年間で為替が4円も下落するようでは焼け石に水です。通貨安の根本原因ををなんとかしないと!

トルコリラ下落の戦犯はエルドアン大統領

トルコリラの下落要因はたくさんありそうですが、最大の理由はなんといってもエルドアン大統領が主張する「利下げでインフレを抑制する」という金融政策でしょう。

インフレに陥った国の中央銀行は、インフレ率より政策金利を上げて経済の過熱を抑えるのが常識といわれています。トルコ中央銀行は2021年末のインフレ見通しを18.4%と予想していますが、11月18日の政策金利発表では3カ月連続となる利下げを決定、トルコの政策金利は15%となり、インフレ率をさらに下回る結果となりました。

経済学のセオリーと真逆の利下げ政策を容認するエルドアン大統領に内外の経済学者・投資家は不信をつのらせています。過去にトルコ中央銀行も政府から独立的な立場を示し、利上げを実行した総裁もいたのですが、そのたびにエルドアン大統領の逆鱗に触れ、ここ数年で3人の総裁が更迭されています。

エルドアン大統領は11月22日に会見を行い、「利上げではなく利下げこそインフレ抑制に有効、リラが下落しているのは欧米諸国による仕掛けである」と改めて主張。12月にも利下げを行う姿勢で、高金利を期待してトルコリラを買うにはますます厳しい状況です。

トルコリラ同様、エルドアン大統領の支持率も急降下しており、トルコの世論調査機関メトロポールは10月、エルドアン大統領の支持率が39%、不支持が約56%に上昇したとの調査結果を発表しました。

次の大統領選挙は2023年。このままいけばエルドアン大統領時代が終わる可能性が濃厚ですが、23年まで利下げ政策が続くのかと思うと、トルコリラが上昇する未来が見えません…

トルコリラ8円は下がり過ぎじゃない?

そうはいっても、かつて1リラ100円だったものが8円まで下落するのはやり過ぎじゃない?という気もします。通貨の価値が0円になることはないし、下がっても南アフリカランド円のように、6~8円をいったりきたりする価格に落ち着くのではないでしょうか。

それならば、0円まで下がってもロスカットしないようにレバレッジを抑えて、数十年かけてスワップポイントをじっくり貯めていく戦略なら勝てるかも?

…しかし、ここまで書いていて思いました。そこまでしてトルコリラにこだわる理由って何だろう。低レバレッジで長期的に投資を行うにしても、もっと安定的な資産でやりたいですよね。

そういえば、2020年4月に原油先物価格が史上初めてマイナス価格まで下落したことがニュースになっていました。マイナス価格ということは、売り手が買い手に対し、代金を支払った上でブツを引き渡すということ。0円より下の世界もあるんですよね…

おとなしく、カナダドルとオセアニア通貨の取引をコツコツ頑張ろうと思います。

(ワタヤン)