どちらがいいの?一般NISA vs.つみたてNISA
いまやNISA(ニーサ)という言葉をまったく聞いたことがないという人はいないでしょう。
それこそ、よくは知らないけれど始めた方がいいらしい。一念発起、調べてみたらNISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類あって、どれか1つしか選べないらしい。
さてどれを選べばいいのやら? 困った人は多いはずです。
そこで今回は “どちらがいいの?一般NISA vs. つみたてNISA〈決定版〉”と題して、なかでも代表的な2つのNISAについて考えてみましょう。
そもそもNISAとは?
NISA(ニーサ)とは少額投資非課税制度のこと。簡単にいうと株式や投資信託で得た利益に、税金が一切からなくなる制度のことです。
通常、投資や運用で得た利益には約20%の税金が課せられます。
(ただし、利益が20万円以下の場合は、課税されません)
例えば投資や運用で100万円の利益が出た場合、受け取れる金額は20万円の税金が差し引かれた80万円です。
ところがNISA口座なら、一切税金がかからずまるまる100万円が受け取れます。これならめっちゃおトクだと思いませんか。
2つのNISA、何が違う?
一般NISAとつみたてNISA、一体何がどう違うのか。下の比較表で確認してみましょう。
ポイント① 非課税枠の特性が違う!
一般NISAの非課税枠は、年間最大120万円、期間は最長5年です。
対してつみたてNISAの非課税枠は年間最大40万円。一般NISAの3分の1のに過ぎませんが、その分期間は最長20年と長くなります。
結果、非課税投資総額は一般NISAが最大600万円(120万×5万円)、つみたてNISAは最大800万円(40万円×20年間)と、実はつみたてNISAの方が最終的に200万円も大きくなるのです。
ポイント② そもそも対象商品も違う!
この2つのNISA、そもそも投資対象も違います。
一般NISAの投資対象は、株式、投資信託、ETF、REITなど。それも国内はもとより国外も含めて幅広い金融商品に投資できます。
一方、つみたてNISAの投資対象はどうでしょう。
こちらはあくまで国の定めた基準を満たして認定された投資信託とETFのみです。
認定商品はトータル約200本が用意されています。
ポイント③ 実は投資方法も違う!
つみたてNISAの投資方法はその名の通り、積立方式です。つみたてる頻度は、毎月、毎週、毎日など利用する金融機関によって選択肢が異なりますが、あくまで一定期間ごとにコツコツ長期で積み立てていく投資方法です。
これ対して一般NISAはといえば、ひとことでいえば自由自在です。年間の上限内であれば好きなタイミングで好きな商品を好きな額だけ投資できます。
それどころか、つみたてNISAのようにコツコツ積み立てることも可能なほか、もとろんその両方を併用してもOKなのです。
さて結論は?
一般NISAとつみたてNISA――。ここまで分解してみると、両者の性格の違いはいたって明快です。あなたの投資スタイルにとってどちらがベストな選択なのか? 結論です。
視点① 投資の予算額で決まる!
仮にあなたの投資予算が年間40万円なら、毎月の投資予算は3万3333円になりますね。それであれば年間の非課税枠が最大40万円のつみたてNISAがベストな選択となります。
もちらん年間40万円以下の予算でも一般NISAで運用することは可能です。しかしその場合は、非課税期間が5年で終了してしまい、非課税投資総額は最大200万円どまりとなってしまいます。
その点、つみたてNISAなら最大800万円まで非課税投資総額が広がります。
反対に年間の投資予算が40万円では物足りない、少なくとも60万円とか、できれば100万円くらいは投資したいという方なら、もちろん一般NISAを選べばいいわけです。
視点② 投資したい商品で考える!
あなたが投資経験者で株式や投資信託、ETF、REITなど、とくにつみたてNISAには用意されてない幅広い金融商品に投資をしたいなら、予算を問わず迷わず一般NISAで決まりでしょう。
反対にに何で運用したらいいのか正直わからない、という投資初心者の方なら、比較的リスクが抑えられていて低コストな商品がそろう、つみたてNISAがおススメです。
視点③ 資金の用途と必要な時期で選ぶ!
最後は資金の用途と必要な時期からも考えてみましょう。もしもNISAで準備したい資金が近年2000万円問題としても話題になった老後資金だったなら、最長20年をかけてコツコツ資産を育てていける、つみたてNISAはまさにぴったりの制度です。
一方、子供の教育資金や住宅資金、マイカーの購入費など、比較的近い将来必要な資金を短中期で効率よくつくりたいなら、一般NISAがいいでしょう。
〈まとめ〉
いかがだったでしょうか?あなたにぴったりなNISA、明確になりましたか?
これら2つのNISA制度は、”人生100年時代の到来”を見据え、2024年からは新NISAへと生まれ変わり、いずれも適応期間が5年ずつ延長されるこが決まっています。そうなるとつみたてNISAにおいても2042年まで有効となるため、2021年10月現在、いまから始めれば両者ともに5年、20年という非課税最大期間をまるまるフルに利用できることになります。
*新NISAにといては、また別の機会にきちんと紹介していく予定です。
1人1口座が原則のNISA口座ですが、非課税枠をとにかく最大限まで享受したいという貪欲な方であれば、最初の5年間は一般NISAを使い倒し、その後改めてつみたてNISAを始めるという、二刀流も制度上可能です。
いずれにしても投資・運用の利益が非課税になる2つのNISAは”使わなソンソンな制度”、できるだけ上手に使いこなしたいものです。
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