ETF歴10年以上の「マネー探検隊」が解説!ETFの魅力とは?
皆さんは「ETF」をご存じでしょうか?
ローマ字3文字で少しとっつきにくい印象がありますが、実は投資初心者の人にこそ注目してほしい金融商品です。
ETFの特徴は?
ETFは日本語で「上場投資信託」といいます。
その名のとおり、「株のように証券取引所に上場している投資信託」です。
ETFは「株」と「投資信託」それぞれのメリットを持っている
- 株のように取引所が開いている間、リアルタイムの価格で取引ができる(=当日中に利益を出すことができる)
- 投資信託のように、複数の銘柄にまとめて投資ができる(=少額で銘柄の分散投資ができる)
これを聞いただけでも、初めて投資をする人に大きなメリットがあると分かるでしょう。
ETFは何に投資できるの?
ETFはいわゆる「指数(インデックス)」に投資ができます。
指数(インデックス)とは?
指数は、その市場を代表する銘柄(株価)の値動きを平均化した指標です。
平均化の定義は指数によって違いますが、簡単に言えば、その市場のパワーを表しています。
例えば、日本でいえば……
- 日経平均株価指数(日経225):東京証券取引所に上場している中から代表的な225銘柄の価格を比重調整して平均化したもの
- 東証株価指数(TOPIX):東京証券取引所に上場しているすべての銘柄の価格を平均化したもの
このあたりが有名ですね。
前述の「少額で銘柄の分散投資ができる」というのは、「市場の平均値に投資ができる」というのが正式な理由です。
投資初心者は指数(インデックス)投資から始めよう
ETFの話とは少し離れますが、投資初心者の方はやはり指数(インデックス)投資から始めるのが無難です。
その第一の理由は、「分散投資をしやすい」という点です。
投資の醍醐味は値動きの大きさですが、値動きが大きいほど損益の額も大きくなります。
慣れないうちは、大きな利益を狙うよりも、損失を抑えながら運用したいという人も多いと思います。
値動きの大きさを抑える方法として「分散投資」がありますが、投資初心者の人がいくつもの銘柄を選ぶのは大変です。
だからこそ、シンプルに市場全体に投資ができる指数がおすすめなのです。
第二の理由は、「自浄作用」です。
そもそも指数に組み込まれているのは、厳しい上場の条件を満たしている企業ばかり。
もし株価や業績が大きく落ち込んでしまった企業は、上場が取り消されたり、指数のラインナップから外されたりします。
つまり、個別株のように自分で値動きを確認して売買をしなくても、ある程度の自浄作用が期待できるのです。
そして何より、自分が何に投資をしているのかが明確な点は大きな魅力です。
例えば、日経平均のように国ごとの市場を表している指数もあれば、金や原油といったコモディティ、ヘルスケアやテクノロジーといった業界ごとでまとめた指数などもあります。
指数に投資をするのになぜETFがおススメなのか?
指数に投資をする方法はいくつかありますが、初めての場合ETFや投資信託が手軽です。
その大きな理由が、少額から投資ができるということ。
ETFであれば、銘柄によっては数千円から。
投資信託は、証券会社によっては数百円から取引も可能です。
いきなり大きな金額で始めるのは勇気がいると思います。
また、少額というメリットを生かしていろいろなETFに投資をすることで、さらなる分散投資も可能になるのです。
ETFの手数料は?
ETFには2つの手数料がかかります。
- 取引手数料:ETFを購入・売却するときにかかる手数料(基本的には株取引と同じ手数料設定)
- 信託報酬:ETFを保有している期間に運用などにかかる手数料(一般的には投資信託よりも安い)
ここで、株、ETF、投資信託のそれぞれの手数料について整理してみましょう。
長く持つならインデックスファンドよりもお得
ETFの「信託報酬」は、おなじ指数に投資するインデックスファンドよりも安いことが多いので、長期で持つ場合にはインデックスファンドよりもおすすめです。
一方で、取引手数料がかかるので、細かく売買をしたい人は投資信託の取引手数料とどちらが高くなるのか確認する必要があります。
ETFの取引方法は?
取引所に上場しているので、株を扱っている証券会社であれば株と同じような手順で取引ができます。
狙った価格で注文できる「指値」取引や、株を売りから注文したりレバレッジをかけて取引したりできる「信用取引」でも投資ができます。
デメリットは自動で積立投資ができないこと
投資初心者の人におススメの投資法としてよく聞くのが、「積立投資」です。
定期的に定額で同じ銘柄を購入することで、購入価格を平均化できることから、「買い時」が分からない投資初心者におススメと言われています。
しかし、ETFを含む株は、投資信託と違い自動で積み立てをするしくみがありません。
この点は、デメリットと言えます。
もちろん自分で定期的に取引をすることで解決はできます。
また、最近はETFの自動つみたてができるサービスを提供している証券会社もあるようです。
国内ETFと海外ETFって何?
ETFには大まかに国内ETFと海外ETFがあります。
国内ETFは国内の証券取引所に上場しているETFのことです。
<国内ETFの特徴>
- 日本株と同じように取引ができる(=日本円で取引ができる)
- 取引できる時間は、日本の証券取引所が開いている時間
- 国内の証券取引所に上場している「海外の指数に投資するETF」もある
一方の海外ETFは、日本以外の証券取引所に上場しているETFのことです。
<海外ETFの特徴>
- 外貨で取引するため資金両替が必要
- 日本株などの口座とは別に、外国株の口座を開く必要がある
- 取引できる時間は、該当する証券取引所が開いている時間
- 銘柄数やバリエーションが多い
このように、海外ETFに投資をする場合には、資金を外貨に両替したり、外国株用の口座を開設したりといったステップが入ります。
NISAやiDeCoには対応しているの?
投資を始めるにあたって、NISAやiDeCoといった非課税制度を活用したいと考える人もいるでしょう。
そこで、株、ETF、投資信託でそれぞれの対応状況を整理してみます。
つみたてNISAにはかろうじて対応していますが、取引ができる銘柄数はほんのわずかです。
ETFを積立投資できるというメリットはあるものの、幅広くETFを検討したい場合にはNISAを選択するのが良さそうです。
まとめ
ここまでETFについて解説してきました。
まず大前提として、「株式」は為替やコモディティなどとは違い、「企業の成長」に投資をして利益を得ます。
もちろん、短期的な下落は避けられませんが、成長を続けることが可能な投資対象なのです。
しかし、個別に銘柄を分析し続けるのは、プロの投資家でも簡単ではありません。
だからこそ、ETFには投資初心者の人にとって嬉しいポイントがたくさんあるのです。
- 自分の好きなタイミングで投資ができる
- 少額で手軽に分散投資ができる
- 綿密な銘柄分析をしなくても良い
- 保有中のコストを抑えることができる
- 銘柄の入れ替えを細かくしなくても良い
メリットとデメリットをきちんと把握したうえで、これから投資を始めるという人はぜひETFの活用も検討してもらいたいと思います。
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